葛根湯は風邪の治りかけには効かない!長引く風邪にオススメの漢方薬

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こんにちは。
ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水です。

この記事では、風邪の治りかけに葛根湯を飲んでも効かなかった方のために、漢方専門の薬剤師がオススメする漢方薬についてお話します。

あなたがのんだ葛根湯が効かなかったのには、理由があります。

それは、葛根湯を飲むタイミングを間違えたから!

 

葛根湯は、風邪の終わりに飲んでも効果は期待できません。

でも、葛根湯がダメでも、他にオススメの漢方があります。

 

というわけで、治りかけの風邪に葛根湯が効かない理由と、長引く風邪に葛根湯よりもオススメの漢方薬について、具体的にお話ししていきますね。

■こんな方にオススメです■

・葛根湯を飲んでも風邪がスッキリ治らない方

・風邪の終わりの症状を漢方薬で早く治したい方

この記事を書いた人

清水みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師およびJAMHA認定ハーバルセラピストの資格を持つ専門家。
大学院卒業後、製薬企業の研究職を経て、現在は漢方調剤薬局に勤務。
漢方とハーブの知識を活かして自然の力で健康づくりをサポートする活動をしています。

初耳学に異議あり!葛根湯は寒気がする風邪のひきはじめに効果的な漢方

葛根湯は風邪のひきはじめに効く漢方薬

葛根湯を飲むタイミングは、寒気がする風邪のひきはじめ

「風邪には早めの葛根湯」、有名ですよね。

早め=風邪のひきはじめってことです。

 

風邪のひきはじめは、体の表側に風邪の邪気(寒さ、ウィルスなど)がいる状態です。

ゾクゾクと寒気がして、熱が出たり、頭痛がしたり、関節痛がでます。

まさにこの時が、葛根湯が効くタイミング。

葛根湯に入っている生薬の麻黄(まおう)+桂枝(けいし)には、
体温を上げて、汗をかかせるはたらきがあります。

 

そうして、風邪の初期段階で
体の表から入ってきた邪気と戦って発散して追い出します。

なんか、寒い気がする、
風邪ひいたかも・・・

まだ熱がなくても、
病院に行くか行かないでおこうか迷う時に、
まず一服飲むとよいです。

 これ、風邪だけじゃなくって、インフルエンザかもしれない時でも同じです!!
 
麻黄湯と葛根湯の使い分け、インフルエンザの発熱時の漢方薬の選び方

 

でも、同じ風邪のひきはじめでも、

・熱っぽいけど、寒気はしない

・喉だけが痛い

こういう場合は、葛根湯はあまり効果ないです。

私は、熱が出る時に、喉も痛くなります。
発熱があって喉が痛い場合は、葛根湯を飲んで早く回復しました。

葛根湯以外にも、体質や症状にあわせたいろいろな漢方薬が、風邪のひきはじめに使われます。
麻黄湯(まおうとう)
桂麻各半湯(けいまかくはんとう)
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)など

 

ちなみに、葛根湯を飲むのは、風邪のひきはじめの数日間のみ。

熱が下がったら、飲むのは終わりです。

私は、2日続けて飲んだことはありません。

清水 みゆき
もし、病院で葛根湯を1週間分、処方されても、全部続けて飲まないようにしてくださいね!

 

林先生の初耳学の「葛根湯を飲んでも風邪は治らない」に異議あり

先日、林先生が驚く初耳学というテレビ番組で、葛根湯が登場しました。

ご覧になった方もいらっしゃいますか?

テレビや雑誌で漢方薬をみかけるとうれしくなる私ですが、
今回は、残念ながらちょっとそれはないよね・・・という内容でガッカリ^^;

京都大学の論文を引用したそうですが、
都合のよいところをきりとって、きちんと読んで番組編成しなかったのでは?という印象です。

「葛根湯は、風邪のウィルス自体をやっつけるわけではないので風邪は治らない、

風邪薬なんて飲まずに、家で水分をとって、体をあたためて、安静するのが一番!」

番組では、そんな結論になっていました。

 

確かに、私もいわゆる総合感冒薬、西洋薬の風邪薬は必ずしも飲む必要はないと思います。

でも、漢方薬は話が別。

というのは、葛根湯は、体をあっためて、汗をかかせて、邪(ウィルス、寒さ)を追い払う漢方薬。

つまり、ウィルスを直接やっつけなくても、
風邪が早く治るように、私たちの治るチカラ、免疫をサポートしてくれるのが葛根湯なんです。

初耳学的に言うと、
 葛根湯を飲んで、家で水分をとって、体をあたためて、安静にするのが一番! だと思います。

 

だけど、何度も言うようですが、
葛根湯は、寒気がする風邪のひきはじめに効く漢方薬。

風邪の治りかけに飲んでも、葛根湯の効果は期待できません。

でも、葛根湯がダメでも、他にオススメの漢方があります。

漢方専門の薬剤師の私が、風邪の治りかけによい漢方薬をご紹介しますね。

 

治りかけの風邪には葛根湯は効かない!長引く風邪によい漢方薬とは?

 

熱は下がったのに、咳だけが続く、
風邪がスッキリ治らない、

いわゆる風邪のひき終わりの時期、
こじらせずに早く治したいですよね。

風邪の治りかけのこの時期は、
ウィルスとの戦いが終わり、体が消耗して疲れきってしまった状態です。

もう、戦うために無理に体温を上げる必要もありません。

なので、風邪の治りかけに葛根湯を飲んでも、効果は期待できません。

 風邪の治りかけの時期には、
ひきはじめとは違って、体力を回復させる漢方薬が効果的です。 

長引く風邪によく使われる漢方薬に、
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)麦門冬湯(ばくもんどうとう)があります。

 

風邪やインフルエンザで弱った体を元気にする補中益気湯(ほちゅうえっきとう、41番)


補中益気湯は、お腹、胃腸(=中)を補う(=はたらきをよくする)ことで、
元気の<気>を増やして、疲れを回復する漢方です。

もともと疲れやすい、風邪をひきやすい体質、
体のだるさや咳が続く、
食欲も元に戻らない
そういう場合に効果的です。

子どもの風邪がすぐうつるママは漢方薬でインフルエンザ予防しよう!

 

市販のクラシエの補中益気湯は、医療用の1/2量(半分の成分が入っている)です。
錠剤タイプ。
大人の飲み方は、1回4錠を1日3回です。

 

痰が少ない乾いた咳によい漢方の麦門冬湯(麦門冬湯、29番)

 

麦門冬湯は、喉を潤して、咳をやわらげるはたらきがあります。

咳が続くと、体力もますます消耗してしまいますよね。

麦門冬湯は、乾いた咳が長引いてスッキリしない時に効果的です。

市販薬の麦門冬湯は、医療用と同じ成分量です。

咳によい漢方は、麦門冬湯以外にもいろいろあります。
詳しくはこちらのブログ記事を読んでみてくださいね。
咳のタイプ別に5つの漢方を厳選!長引く風邪の咳にオススメの市販薬

補中益気湯も麦門冬湯も、妊娠中、授乳中でも問題なく飲むことができる漢方薬です。

どちらも、病院に行けなくても、ドラックストアや薬局で購入することができます。

 

まとめ

ということで、治りかけの風邪に葛根湯が効かない理由と、長引く風邪に葛根湯よりもオススメの漢方薬についてお話してきました。

葛根湯を飲むなら、風邪のひきはじめにしましょう。
我慢せずに、早めに飲んだ方が効果的です。

風邪の治りかけは、体が消耗して疲れきってしまった状態です。
ひきはじめとは違って、葛根湯ではなく、体力を回復させる漢方薬、補中益気湯や麦門冬湯などがよく使われます。

風邪を早くスッキリと治すために、
本当はゆっくり体を休めることができればいいけど、子育て中のママには、なかなか難しいですよね。

なかなか病院にも行けない時のセルフケアに、ぜひ漢方薬を上手に役立ててくださいね!

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