妊娠中の漢方の加味逍遥散は危険?妊婦経験ある薬剤師だから言える事

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こんにちは。
ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水 みゆきです。

この記事では、妊娠発覚したとき、もしくは妊娠中に、漢方薬の加味逍遥散を飲んでいても問題ないかについて、現役薬剤師でもある私自身の経験談を交えながらお話します。

 

月経前症候群(PMS)や更年期障害などにもよく使われる漢方薬で、
加味逍遥散(かみしょうようさん)があります。

私は血の巡りが悪い(お血)タイプで、
この加味逍遥散を飲んでいた時期があります。
(ひそかに妊活中でした)

そして、ちょうど加味逍遥散を飲んでいた時に、妊娠が判明しました。

私と同じように、加味逍遥散を服用中に妊娠がわかった方の中には、
「妊娠発覚した時に漢方薬を飲んでいたけど、お腹のあかちゃんには影響ない?」
こんな不安を感じる方もいるかもしれませんね。

安心してプレママ生活が送れるように、詳しくお話していきますね!

 

■こんな方にオススメです■
・加味逍遥散を服用中に妊娠がわかって不安になっている方

・妊娠中に漢方薬を飲んで大丈夫か心配な方

 

この記事を書いた人

清水みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師およびJAMHA認定ハーバルセラピストの資格を持つ専門家。
大学院卒業後、製薬企業の研究職を経て、現在は漢方調剤薬局に勤務。
漢方とハーブの知識を活かして自然の力で健康づくりをサポートする活動をしています。

私が妊活中に加味逍遥散を飲んでいた理由

妊活中に加味逍遥散を飲んでいた
 

ちょっとだけ、私の話をしますね。

二人目が欲しいなとおもっても、
すぐにはあかちゃんはやってきてくれませんでした。

仲がよかったお友達に、弟くんや妹ちゃんが生まれると、
うれしい気持ちとうらやましい気持ちでお祝いしたり・・・

「(自分の)年齢も年齢だし、早く、二人目が欲しい!」
今振り返れば、かなりストレスになっていました。

自分の嫌な部分がみえて落ち込んだり。

 

私の体質ような血の巡りが悪い(お血)タイプによい漢方薬は
いろいろとあるのですが、
ストレスがあると、
血の巡りだけでなく、<気>の巡りも悪くなります。

 

漢方の基本的な考え方のひとつに、気・血・水(き・けつ・すい)があります。

<気>は、目に見えない生命エネルギー
<血>は、血液やその流れ、栄養成分
<水>は、血液以外の液体、うるおいの水

からだをつくる気血水が、多すぎたり、少なすぎたりしないで、
からだ全体をぐるぐるとめぐっている状態=健康と考えます。

 

加味逍遥散には、からだの<気>や<血>の巡りをよくするはたらきがあります。

詳しくはこちらのブログ記事も参考にしてくださいね。
生理前になるとイライラするママにおすすめしたい漢方薬、加味逍遥散

 

もともとの血の巡りの悪さを改善しながら、
「なかなか妊娠できない」
ストレス過多で悪くなっていた<気>の巡りをよくしよう!

こういう目的で妊活中に加味逍遥散を飲んでいました。

加味逍遥散とアルコール(お酒)の飲み合わせが気になる方は、こちらをお読みくださいね。
漢方薬を愛用するお酒好きなママに教えたい漢方とお酒との飲み合わせ

 

妊娠初期、妊娠中は加味逍遥散(かみしょうようさん、24番)を飲まない方がいい?

「漢方薬は、副作用もなくって、きっと安全!」

そういうイメージがあるかもしれませんが、
漢方薬も医薬品です。

 

材料として使われている生薬によっては、
流産や早産のリスクがあって、
妊娠中は気をつけないといけない漢方薬もあります。

 

加味逍遥散の場合は、
生薬の牡丹皮(ぼたんぴ)と薄荷(はっか)が慎用薬です。

 

慎用薬
絶対に飲んだらダメというわけではないけど、
飲まない方がよいという区分に入る生薬。
体質や症状にあわせて短期間使う、
少量だけ使うというように慎重に使う必要あり。

ちなみに、妊娠中に<絶対に>飲んだらダメという禁忌薬は、
医療用の漢方薬(エキス製剤)には使われていません。

 

牡丹皮は血の滞り(お血)を改善する駆お血剤。

血の巡りがよくしすぎると、
早産や流産をひきおこす原因になる可能性があります。

加味逍遥散と同じく、
女性のお血、血の道症の改善に使われる
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、
温経湯(うんけいとう)、
この漢方薬にも、牡丹皮が使われています。

なので、一般的には、
牡丹皮が入ったこれらの漢方薬は、妊娠中には服用しません。

(ただ、その時の症状やお血の体質によって、ケースバイケースです。
専門家の判断で使われることもあります。)

 

もうひとつの薄荷はペパーミントのこと。

スッとする香りが、
つわりの症状をやわらげる効果があります。

でも、薄荷の香り成分には、
神経毒性や子宮を収縮させてしまうはたらきもあります。

 

・薄荷=ペパーミント
濃縮した精油(アロマ)のペパーミントは妊娠中は禁忌=使ったらダメです。

ペパーミントのハーブティーも、
妊娠中はたくさん飲みすぎないようにした方がいいです。

 

妊娠初期の加味逍遥散の服用が原因で、
流産や早産につながる、
胎児に影響がある、
そういうことはありません。

私のように妊娠が判明する前の妊娠初期に
加味逍遥散を飲んでいても、不安になる必要はありません。

安心してくださいね。

 

でも、妊娠がわかった時点で、
リスクがあることは避けることが大切だとおもいます。

 

漢方薬といっても、
不必要な薬は飲まないのが一番です。

 

私も妊娠がわかった時点で、
加味逍遥散の服用はやめました。

その後、私が妊娠中に飲んでいた漢方薬についてはこちらのブログ記事に書いています。
妊娠中にやさしい漢方、当帰芍薬散は早産や流産予防する安産のお守り

 

まとめ、妊娠発覚時に加味逍遥散は問題ないけれど、妊娠中は避けた方が安全

今回は、妊娠発覚時もしくは妊娠中に、漢方薬の加味逍遥散を飲んでいても問題ないかについて、私自身の経験を交えつつお話しました。

 

妊娠がわかる前に加味逍遥散や桂枝茯苓丸、温経湯などの漢方薬を飲んでいても、
お腹のあかちゃんや妊娠の継続にはほぼ影響はありません。

ただ、妊娠中は慎重に使うべき生薬が使われているので、
(病気や症状によってケースバイケースですが、)
万が一のために、妊娠がわかった時点で飲み続けることは避けた方が安心だと私は思います。