市販の漢方トローチ3種を徹底比較!喉の痛み・咳におすすめの選び方

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漢方薬剤師の清水みゆきです。

「のどがいがらっぽい感じがするけど、のど飴では物足りない」
「時々、咳が出て気になるけど、風邪薬を飲むほどではない」
そんな時に役立つのが医薬品のトローチ。

漢方薬をトローチ製剤にした漢方トローチがあるのをご存じですか?
実は、市販薬にしか漢方トローチはないんです。

漢方薬を手軽に使えるよう工夫されたトローチ製剤は、医療用にはなく、市販薬でしか手に入りません。

この記事では、市販の漢方トローチ3種類の違いと選び方について解説します!

清水 みゆき
咳やのどの不調に漢方トローチはおすすめです!
漢方薬をのむことに抵抗がある方にもハードルが下がっていいのではと思います^^

 

この記事を書いた人

清水みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師およびJAMHA認定ハーバルセラピストの資格を持つ専門家。
大学院卒業後、製薬企業の研究職を経て、現在は漢方調剤薬局に勤務。
漢方とハーブの知識を活かして自然の力で健康づくりをサポートする活動をしています。

漢方トローチとは?

仕事中や育児中に、「のどがイガイガする」「ちょっとした咳が止まらない」と感じたことはありませんか?
そんなときに役立つのが、携帯しやすく、水なしで使える 「漢方トローチ」 です。

漢方トローチとは、漢方薬から抽出したエキスをトローチ剤にしたもの。
医薬品として、のどの痛みや腫れ、咳などの症状に効果が認められています。

 

漢方トローチの特徴1:のどの痛みや咳に対して気軽に使える

「漢方薬をのむのは抵抗がある」
「漢方薬は携帯するのが大変、外出時はのみにくい」

そんな時でも、漢方トローチなら水なしで服用でき、気軽に使うことができます。
携帯しやすいのもポイントです。

漢方トローチはとくに乾燥や風邪の多い季節に最適です。

漢方トローチの特徴2:のどへの効果が期待できる

トローチは口の中でゆっくり溶かすことで、のどの痛みや炎症を効率的に抑えることができます。

また、乾燥などで敏感になったのどや気管支を潤し、じっくり届くため、より高い効果が期待できます。

漢方トローチの特徴3:副作用リスクが少ない

一般的な市販風邪薬では抗ヒスタミン成分が含まれることが多く、それが眠気や口の渇きにつながります。
漢方トローチは、自然由来の成分を使用しているため、副作用のリスクが少ないとされています。

清水 みゆき
漢方トローチは、咳やのどの症状にやさしく働きかけ、副作用リスクが少なくおすすめの選択肢です。

 

漢方トローチはこんな方におすすめ

漢方トローチは、のどの痛みや咳が気になる方に手軽に使える便利なアイテムです。
とくに、以下のような方におすすめです。

仕事や育児などで忙しい方

咳やのどの痛みがあっても、仕事や育児で忙しいと、なかなか休んだり、病院に行ったりする時間もとれませんよね。

漢方トローチはドラックストアやネット通販で買うことができるので、忙しい方でもすぐに手に入れることができます。

また、水なしで服用できるため、デスクワークの合間や外回りの途中、育児中など、どんな時でも気軽に使うことができます。

「忙しくても、のどケアをしっかりしたい」という方にピッタリの選択肢です。

乾燥が気になる季節に

冬場は空気の乾燥によって、のどがイガイガしやすくなり、乾いた咳が出やすくなる季節です。
また、暖房がきいた室内環境では、のどがさらに乾燥してしまうことも…。

漢方トローチは、乾燥で敏感になったのどや気管支を潤しながら、炎症を抑える効果があります。
また、風邪の初期症状に対応できる漢方トローチもあります。

携帯するのも便利なので、乾燥対策としてバッグに1つ入れておくと安心です。

のどを使う仕事の方に

接客業や教師、講師など、のどを酷使する仕事の方にとって、のどのケアは大切ですよね。

声を出すことが多い職業では、のどの痛みや声枯れがおきると、仕事に支障をきたすこともあります。
漢方トローチは、のどや声のケアにも役立ちます。

 

市販の漢方トローチの3種類の特徴や違い、おすすめポイント

市販されている漢方トローチには3種類あり、漢方薬として、桔梗湯・麦門冬湯・駆風解毒湯が使われています。
それぞれの漢方トローチの特徴や違いについて詳しく解説します!

ツムラ漢方トローチ 桔梗湯

■効果効能
体力に関わらず使用でき、のどがはれて痛み、ときにせきがでるものの次の諸症:
扁桃炎、扁桃周囲炎

■成分と作用
・桔梗(ききょう):鎮痛・鎮咳・去痰・排膿作用、炎症を抑える
・甘草(かんぞう):炎症を抑える

医療用の漢方薬の桔梗湯の半分の成分量(1/2量)が配合されています。

■用法用量
・15歳以上:2個/回、1日3回まで
・5歳から14歳:1個/回、1日3回まで
・5歳未満は使用しない
1日3回食間又は食前に、1個ずつ口中に含みかまずにゆっくり溶かす

■おすすめポイント
のどの痛みや声枯れ(かすれ声)が気になる方におすすめ!

桔梗と甘草というシンプルな処方で、炎症を抑える働きがあります。

清水 みゆき
桔梗湯トローチについては、こちらのブログ記事でも詳しく解説しています。
漢方トローチで授乳中の喉の痛みや咳をケア!薬剤師オススメの市販薬

 

漢方咳どめトローチS 麦門冬湯(ばくもんどうとう):小太郎漢方製薬

■効果効能
体力中等度以下で、たんが切れにくく、ときに強くせきこみ、又は咽頭の乾燥感があるものの次の諸症:
からぜき、気管支炎、気管支ぜんそく、咽頭炎、しわがれ声

■成分と作用
・麦門冬(ばくもんどう):潤いを補う・咳を鎮める
・粳米(こうべい):潤いや気を補う
・人参(にんじん):潤いや気を補う
・半夏(はんげ):咳を鎮める
・大棗(たいそう):胃を整える
・甘草(かんぞう):胃を整える・炎症を和らげる

医療用の漢方薬の麦門冬湯の半分の成分量(1/2量)が配合されています。

■用法用量
・大人(15歳以上)及び7歳以上:2個/回、1日3回まで
・7歳未満5歳以上:1個/回、1日3回まで
・5歳未満は使用しない
1日3回食間又は食前に、1個ずつ口中に含みかまずにゆっくり溶かす

■おすすめポイント
のどが乾燥して、乾いた咳や咳払いがよく出る方におすすめ!

乾いた粘膜に潤いをあたえて、咳を改善します。

 

サトウエキストローチ:佐藤製薬

■効果効能
体力に関わらず使用でき,のどがはれて痛むものの次の諸症:
扁桃炎、扁桃周囲炎

■成分と作用
・防風(ぼうふう):熱を発散してのどの痛みを抑える
・牛旁子(ゴボウシ):鎮咳・去痰作用
・連翹(レンギョウ):熱をさまし、炎症を抑える
・荊芥(ケイガイ):熱を発散してのどの痛みを抑える
・羗活(キョウカツ):熱を発散してのどの痛みを抑える
・甘草(カンゾウ):炎症を抑える
・桔梗(キキョウ):鎮痛・鎮咳・去痰・排膿作用、炎症を抑える
・石膏(セッコウ):熱をさまし、炎症を抑える

駆風解毒湯は、医療用の漢方エキス剤にはない処方です。

■用法用量
・大人(15歳以上)1回1錠ずつ2錠まで、1日3回まで
・15歳未満は使用しない
食間又は食前に、1個ずつ口中に含みかまずにゆっくり溶かす

■おすすめポイント
風邪のひきはじめの喉の痛みにおすすめ!

喉の痛みや黄色い鼻水や痰でるといった風邪のひきはじめから炎症が起きている(寒気などなし)場合に熱を放散させることで治す漢方薬です。

 

市販薬の漢方トローチの比較表

漢方トローチの特徴について表にまとめて比較しました。

桔梗湯トローチ 麦門冬湯トローチ 駆風解毒湯トローチ
おすすめの症状 のどの痛み・腫れ・
声枯れ
乾いた咳・
のどの乾燥感
風邪のひきはじめ・
のどの違和感
使える年齢 5歳以上 5歳以上 15歳以上

漢方トローチの選び方

咳のタイプやのどの症状に合わせて選ぶポイントをまとめました。

「乾いた咳」 vs 「痰の絡む咳」

乾いた咳ができるときは、麦門冬湯トローチがおすすめです。
痰がきれにくいときにもおすすめです。

痰が多い咳のときは、トローチではなく、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)や清肺湯(せいはいとう)といった漢方薬を選びましょう。

咳の漢方薬について詳しくはこちらのブログ記事で解説しています。
咳のタイプ別に5つの漢方を厳選!長引く風邪の咳にオススメの市販薬

 

「のどの痛みが強い時」

のどの痛みだけが気になる、なんとなくいがらっぽいという場合は、桔梗湯トローチがおすすめです。

風邪をひいたかもしれない!熱感が強い場合の喉の痛みには、駆風解毒湯トローチの方がいいでしょう。

漢方トローチを服用する時の注意点

注意点1:かまずに口中でゆっくり溶かす

噛み砕いたり飲み込んだりすると、成分がそのまま胃に入り、のどへの効果が半減してしまいます。

かまずに口の中でゆっくり溶かして服用するようにしましょう。

 

注意点2:使い過ぎや他の漢方薬との併用に注意

漢方トローチには甘草(かんぞう)という生薬が使われています。

一般的に漢方薬は副作用リスクが低いとされていますが、甘草を過剰摂取すると、むくみや血圧上昇などの副作用が生じる可能性があります。

甘草の副作用についてはこちらのブログ記事で詳しく解説しています。
甘草を含む漢方薬はむくみや血圧上昇の副作用に注意して!

また、気軽に使える漢方トローチですが、のど飴とは違い、れっきとした医薬品です。

15歳以上で1回につき2個まで、そして1日3回までという使い方はしっかり守ってください。

甘草は飲み合わせに注意が必要な生薬です。

とくに、すでに漢方薬をのんでいる方は甘草の重複リスクがあるので併用に注意が必要です。

あと、市販の風邪薬にもグリチルリチン(甘草の成分)として含まれていることがあります。

併用する場合は成分をしっかり確認して、不安な場合は薬剤師さんに相談してくださいね。

 

自分に合った漢方トローチを見つけて快適に!

この記事では、3種類の漢方トローチについて、その特徴や違い、選び方、注意点について詳しく解説しました。

市販の漢方トローチはドラックストアやネット通販でも購入することができます。

仕事や育児で忙しくても活用できるので、のどや咳のケアに漢方トローチを試してみてくださいね!