インフルエンザ後に咳だけが長引く時に効果的な漢方薬の竹じょ温胆湯

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こんにちは。
ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水みゆきです。

ようやくインフルエンザの高熱が下がって動けるようになったけれど、
咳が残ってスッキリ治らない。

病院に行っても、検査上は異常なし。

「しばらくしたらよくなるでしょう」
そう言われたものの、痰がからむ咳が長引いてつらい。

どうしたらいいんだろう・・・途方にくれることってありますよね。

実は、こういう時こそ、漢方薬の出番です!

今回は、インフルエンザ後の痰がからむ咳が続いて眠れない時によい漢方薬、竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう、91番)についてお話します。

 

この記事を書いた人

清水みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師およびJAMHA認定ハーバルセラピストの資格を持つ専門家。
大学院卒業後、製薬企業の研究職を経て、現在は漢方調剤薬局に勤務。
漢方とハーブの知識を活かして自然の力で健康づくりをサポートする活動をしています。

インフルエンザ後の咳によい竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう、91番)ってどんな漢方薬?

 

竹茹温胆湯は13種類の生薬からできた漢方薬です。

名前にも使われている竹茹(ちくじょ)が、メインの生薬です。
竹のつつの皮をめくった下の部分のところになります。

痰熱をのぞいて熱をさまし、咳やこみあげる吐き気を鎮めるはたらきがあります。

他にも、麦門冬、桔梗、陳皮という痰をだしやすくする生薬が入っています。
(とくに、竹茹+陳皮の組み合わせで胃の炎症をとり、痰を除くはたらきがパワーアップします)

胃腸や肺の負担になる余分な水をとりのぞく茯苓、
気の巡りをよくする枳実や香附子、
熱や炎症をさます柴胡や黄連、
脾を補う人参などが含まれています。

風邪やインフルエンザが長引いて、とくに夜に痰や咳で眠れない時によい漢方です。

インフルエンザに対して保険適応のある数少ない漢方薬です。

 

また、温胆湯 (うんたんとう)という漢方薬がベースになっているので、
神経の高ぶりも抑えるはたらきがあります。

咳で眠れなくてイライラする気持ちもやわらげます。

 

*温胆湯 について
不安感からあれこれ考えて眠れない、
精神不安から胃腸の不調がでているときに使われる漢方です。

気や水の巡りをよくするはたらきがあります。

 

<痰が出て眠れないほどの咳>
これが竹茹温胆湯を選ぶポイントになります。

微熱が続いている時、
熱が下がったけど、すっきり治らない時、どちらでも使えます。

心身ともに弱っているときにもよいです。

授乳中に飲んでも問題ありません。
ママにも安心です。

 

竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)はどこで買える?

竹茹温胆湯は市販薬にもあるので、ドラックストアや薬局でも売っています。

 

クラシエの竹茹温胆湯

ツムラの医療用の竹茹温胆湯の2/3量の成分量です。

 

清水 みゆき
ツムラの竹茹温胆湯は病院で処方してもらう医療用のみしかありません。
ドラックストアや薬局ではツムラの竹茹温胆湯は売っていません。

*漢方薬の成分表についてはこちらのブログ記事に詳しく書いています。
病院で処方される医療用漢方薬と薬局で買う一般用漢方薬の中身の違い

 

竹茹温胆湯の味は?子どもの飲める?

竹茹温胆湯は、渋いというか、苦いというか・・・なかなか飲みずらい味の漢方薬です。

 

以前、風邪をこじらせて咳が長引いた時に私もお世話になったことがあります。

漢方薬に慣れている私にとっても、とっても苦く感じました(^-^;

 

竹茹温胆湯自体は子どもでも飲むことができますが、この苦味が嫌がられるかもしれません。

漢方嫌いになってほしくないので、他の漢方薬を選んだ方がいいかもしれませんね。
子どもの咳の漢方薬はこちらのブログ記事を参考にしてください!
長引く咳や痰の風邪におすすめ!ドラックストアで買える4つの漢方薬

 

でも、竹茹温胆湯は苦いですが、効きめもよい漢方薬です。

実際に、薬局で患者さんにも、苦いですが効きますよ!とお伝えしています。

清水 みゆき
私も効果をちゃんと実感した一人です^^

 

インフルエンザは治ったはずなのに咳だけが長引く理由


インフルエンザや風邪の後は、喉の粘膜が敏感です。
なので、ちょっとした刺激で咳が出やすくなっています。

しかも、一度、咳が出始めると止まらない、
咳込みがひどくなることが多いです。

 

咳は自分の意識とは無関係でおきるのがつらいところ。

それは、はじめの咳でおきた気管支の収縮が刺激になって、咳の連鎖反応が起きるためと考えられています。

 

 

咳がひどすぎて、夜も眠れなくなると、体力も低下してしまいます。

ただでさえ、インフルエンザの病み上がり(回復期)なのに、本当につらいですよね。

 

 

咳がひどいと病院ではだいたい、抗生物質が処方されます。
でも、細菌が原因でなければ、抗生物質はあまり意味がありません。

 

リン酸コデインやメジコンといった咳止めも病院で処方されます。
脳の咳中枢(咳を出す命令をだすところ)を抑える薬です。

ただ、痰がでる咳の場合は、リンコデを飲むと痰を出すのを妨げられて、かえって治りが悪くなることもあります。

こういうインフルエンザや風邪の後の咳が長引いてすっきりしない時は漢方薬がオススメです。

インフルエンザや風邪の発熱の後、痰がからむ咳がでる、
夜になるとひどく咳き込んでしまって、ゆっくり眠れない。

そういうときに効果を発揮する漢方薬が竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)です。

 

さいごに

咳によい漢方薬はいろいろありますが、今回は、インフルエンザ後の咳が長引いて眠れない、そんな時によい漢方薬、竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)をご紹介しました。

苦い漢方薬ですが、効果も期待できます。

熱が下がればもうインフルエンザは治った!と思いがちですが、
あともう少し、漢方でスッキリ、しっかりからだを整えていきましょう。