こんにちは。
ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水 みゆきです。
今回は、我が家の体験談をもとに、漢方専門の薬剤師が、子どもにも使える声枯れにオススメの漢方薬についてお話します。
なんとなく咽喉に違和感を感じる、
風邪をひいたかな?
そう思っていたら、
声がかすれてきて、声が出なくなってしまった!
そんな経験ありませんか?
特に急に子どもの声がでなくなったら、ママも慌てますよね。
先日、うちの長男くんも声がかすれて、すごいハスキーボイスになってしまいました。
原因は、おそらく小学校の運動会。
風邪気味だったところに、運動会で張りきって大声で応援団してましたからね^^;
長男くんの声枯れには、漢方薬が効果的でした。
この時のお話を詳しくしていきますね!
きっと、この記事を読み終わったら、
「私もこの漢方薬がほしい!」とすぐに探しに行きたくなると思います^^
目次
喉が痛む、痰が絡む、咳が出る、そんな風邪からくる声枯れに効果的な漢方
漢方で声枯れといえば、甘草湯(かんぞうとう)が有名です。
その名の通り、甘草からできた漢方薬。
珍しい、材料が甘草、1種類だけの漢方です。
のどや口の中の炎症を和らげるはたらきがあります。
口内炎にも使われたりもします。
今回、まず長男くんには生薬(ハーブ)の甘草(リコリス)で代用してみました。
甘草を煎じて、うがい薬をつくりました。
甘いお茶は大嫌いな長男くん。
うがいだけなら大丈夫だろうと思いましたが・・・
「うげー!!!甘すぎる!!!無理!!!」
まあ、大騒ぎ。
「まだ苦い方がマシ!」と言い張るので、
ハーブのセージかタイムあたりでリベンジしようかと考えていたら・・・
桔梗湯(ききょうとう)138番があることを思い出しました。
桔梗湯は、炎症や痛みをおさえる甘草に
咳をやわらげたり、痰をだしやすくする桔梗をプラスしたもの。
痰が絡む咳もしていたので、
よくよく考えれば、こっちの方が長男くんの症状にはぴったりでした。
桔梗湯は声枯れや喉の痛み以外にも、扁桃腺の腫れや口内炎にも使われます。
桔梗湯はこういう使い方もできます^^
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子どもの喉の痛みや声枯れにも効果的な漢方、桔梗湯(ききょうとう、138番)
桔梗湯といえば、飲み方が独特な漢方薬です。
桔梗湯のうがいする飲み方と飲むタイミング
1:桔梗湯1包をお湯に溶かします。
お湯の量は好みで調節してかまいませんが、
100mLくらいですんなり溶けます。
長男くんの場合は、桔梗湯の量は半包/回で使いました。
2:少しさましてから、うがいして飲みます。
面白いですよね?
うがいして飲むんです。
桔梗は少し苦いので、
長男くんにとっては甘草湯よりマシかなと思いましたが・・・
やはり、甘さが勝るよう。
でも、これならなんとか我慢できるそうです。
長男くん的には、冷めたものよりほんのり温かい方が味がいいそうです。
桔梗湯を飲むタイミングは、食前でも食後でもどちらでも大丈夫です。
何時のんでも大丈夫です。
空腹時でなくてもかまいません。
桔梗湯はどれくらいの期間飲めばいいの?
「この声枯れはどれくらいで治る?」不安になることもありますよね。
長男くんの場合は、
1日2回、2日ほど桔梗湯のうがいを続けたら、ハスキーボイスはかなり回復しました。
桔梗湯は、漢方薬の中でも即効性のあるものです。
数日つかうと、声のかすれや声枯れが改善してくるはずです。
逆に、桔梗湯を使っても全く改善しない場合は、病院を受診した方がいいとおもいます。
漢方の効果が出るまでの時間、漢方薬を飲み続ける期間の目安とは?
桔梗湯は市販で売っているの?
桔梗湯は市販されていて、ドラックストアや薬局でも購入することができる漢方薬です。
ツムラの市販薬の桔梗湯です。
子どもでも、2歳以上から使うことができます。
桔梗湯は妊婦さんや授乳中の方も安心して使うことができます。
それでも、心配という方は、桔梗湯のうがいだけにするようにしましょう。
(うがいだけというのは、喉の奥でガラガラうがいして、飲まずに出すということ)
桔梗湯と桔梗石膏の違い
桔梗湯に似た名前の漢方薬に桔梗石膏(ききょうせっこう)があります。
同じ<桔梗>という言葉が入っているので、間違いやすい漢方薬です。
どちらも、喉の炎症によい漢方です。
同じくうがいして飲むと効果的な漢方です。
桔梗湯=桔梗+甘草
桔梗石膏=桔梗+石膏
桔梗石膏には、
甘草のかわりに石膏が入っています。
石膏というのは、天然の鉱物。
熱を冷ますはたらきが強く、炎症や熱を和らげます。
この石膏が含まれているので、
桔梗石膏の方が、桔梗湯よりも腫れや痛みに対する作用はパワフルです。
甘草は入っていないので、甘くはありませんが、苦くもありません。
飲みやすい漢方薬です。
ただ、この桔梗石膏は、市販薬では錠剤しか販売されていません。
(医療用の漢方では、コタロー製の粉薬(エキス剤)があります。)
ちなみに、桔梗石膏は、市販薬も医療用漢方もツムラにはなく、コタローのものしかありません。
桔梗石膏も使いやすくって、とってもいい漢方です。
甘草が入っていないので、副作用や飲み合わせもあまり注意しなくていいですし。
風邪をひいたときには、私も子どもたちも小青竜湯+桔梗石膏の組み合わせで、お世話になっています^^
桔梗湯と葛根湯の飲み合わせは?
風邪の時にも、喉が痛くなったり、声がかすれることがありますよね。
風邪の漢方といえば、超有名なのが、葛根湯。
特に風邪のひきはじめには、葛根湯を飲むという方も多いかもしれませんね。
葛根湯は風邪の治りかけには効かない!長引く風邪にオススメの漢方薬
「喉や声の調子がおかしいから、葛根湯と桔梗湯を一緒に飲もうかな?
葛根湯と桔梗湯の飲み合わせは大丈夫かしら?」
そんな疑問が出るかもしれません。
葛根湯と桔梗湯を併用して一緒に飲んでも大丈夫ですが、注意点が二つあります。
葛根湯と桔梗湯の飲み合わせには甘草の副作用に注意
桔梗湯にも、葛根湯にも共通して含まれている生薬成分があります。
それは、甘草(かんぞう)です。
甘草は取り過ぎると、副作用が出ることがあります。
有名な副作用として、
血圧が高くなったり、
むくみ、脱力感(手足にちからが入らない)などがあります。
ツムラの桔梗湯には、甘草が3g、
ツムラの葛根湯には、甘草が2g、
それぞれ1日量として含まれています。
一般的には、甘草は1日5gを超えないことが目安になっています。
ツムラの葛根湯と桔梗湯を1日量(3包)飲んだ場合、
からだに入る甘草の量は1日のMAX量(目安)の5gということになります。
それだけ、甘草の副作用のリスクが上がるということですね。
ただ、葛根湯を1日3回飲み続けるのは、多くても3日ほどだとおもいます。
葛根湯と桔梗湯の数日間の短期間の併用ならば、問題ないと私はおもいます。
でも、甘草の副作用の出方には個人差がありますし、
不安な場合は、桔梗湯はうがいだけにして飲まないようにしましょう。
葛根湯と桔梗湯を併用するときには飲み方に注意
葛根湯と桔梗湯は同時に、一緒に飲まないようにしましょう。
というのは、
やっぱり桔梗湯は、うがいして飲んだ方が効果的だからです。
私なら、葛根湯は普通にお湯に溶かして飲んで、桔梗湯はうがいして飲みます。
まとめ
ということで、子どもの声枯れにオススメの漢方薬についてお届けしました。
私のオススメは桔梗湯です。
うがいしてから飲むという飲み方はちょっと変わっていますが、
子どもから大人まで、妊婦さんや授乳中のママにも安心して使える漢方薬です。
桔梗湯は声枯れや喉の痛み以外にも、扁桃腺の腫れや口内炎にも使われます。
風邪が喉にきやすい、声枯れしやすいお子さんは、ぜひお家に備えておいてあげてくださいね!