こんにちは。
ママのためのやさしい漢方、薬剤師の清水みゆきです。
この記事では、のどの痛みや声枯れに使うペラックT錠と漢方薬の葛根湯の飲み合わせについて、漢方専門の現役薬剤師の私がお話します。
風邪をひくと、喉が腫れて痛い、
つばを飲みこむのもつらい。
慌てて、病院を受診すると、
西洋薬のトランサミン(トラネキサム酸)という薬が処方されることが多いです。
このトランサミンという成分は、
ドラックストアや薬局で、市販薬でも販売されています。
喉の痛みや口内炎の薬、ペラックT錠という薬です。
喉からくる風邪をひきやすい、
すぐに、声枯れしてしまう、
そんな悩みがある方はペラックT錠を手に取ることもあるかもしれません。
風邪っぽいから、葛根湯も一緒に飲みたいけれど、
2種類以上の薬を飲む時に不安なのが、薬の飲み合わせ。
ぺラックT錠と葛根湯を同時に服用してもよいか気になりますよね。
というわけで、
ペラックT錠と葛根湯の飲み合わせについて詳しくお話していきますね。
目次
のどの痛みや腫れに使うペラックT錠はどんな薬?
ペラックT錠には、漢方薬にも使われる甘草が含まれている
ペラックT錠のメイン成分は、トラネキサム酸。
病院で処方される薬のトランサミンと同じ成分です。
体の炎症に関わる酵素、プラスミンを弱めることで、炎症や腫れを和らげます。
メイン成分のトラネキサム酸以外に、
甘草(かんぞう)という生薬と3種類のビタミンが含まれています。
甘草は、漢方薬にも使われている生薬。
炎症をやわらげるはたらきがあります。
ペラックT錠に入っている量は少ないですが、漢方薬の甘草湯や桔梗湯のイメージですね。
子どもの声枯れに使える漢方の桔梗湯、効果的な飲み方と飲み合わせ
いかにも西洋薬って感じの名前ですが、漢方成分も含まれているのが、面白いですよね^^
ちなみに、眠気がでる成分は含まれていません。
医療用のトラネキサム酸はシロップ剤もあって、
子どもでも処方されますが、
ペラックT錠は、7歳以上から飲むことが可能ということになっています。
ペラックT錠は医療費控除の対象になる?
薬局やドラックストアで買った薬は、確定申告で医療費控除の対象になります。
少しでもお金が戻ってきたらうれしいですよね^^
確定申告の医療費控除には、2つの大原則があります。
・医薬品であること。
・<治療や療養に必要な>医薬品の購入であること。
ペラックT錠は第3類医薬品です。
*第3類医薬品は、安全や健康上のリスクが比較的低い医薬品。
薬事法という法律で、医薬品と認められており、
薬の購入=病気の治療目的と判断することができます。
なので、ペラックT錠は確定申告の医療費控除の対象になります。
ちなみに、セルフメディケーション税制の対象にはなりません。
ペラックT錠の飲み合わせ、葛根湯と一緒に飲んでも大丈夫?
喉の痛みや腫れがある時は、風邪をひいた時も多いと思います。
そういう場合は、漢方薬だけで大丈夫だと思うので、私ならペラックT錠は選択肢には入りません^^;
でも、症状がつらい時は、どうにかして早く治したい!と思うもの。
気になるペラックT錠との飲み合わせについて解説していきたいと思います。
ペラックT錠と葛根湯の飲み合わせの注意点
ペラックT錠のメイン成分のトラネキサム酸は、葛根湯と一緒に飲んでも、問題はありません。
飲み方にも特に注意することはないです。
漢方薬と一緒に食前に飲んでもいいですし、
ペラックT錠だけ、食後に飲んでも、かまいません。
ただ、一つだけ注意しないといけないことがあります。
というのは、ペラックT錠には入っている甘草の副作用です。
この甘草は過剰になると、むくみや血圧上昇などの副作用を起こしやすいです。
甘草が含まれる漢方薬はむくみや血圧上昇の副作用に注意
一般的には、甘草の量は1日5gを超えないことが目安になっています。
ツムラの葛根湯には、甘草が1日量で2g、含まれています。
ペラックT錠の6錠(1日量)には、甘草が生薬として990mg含まれています。
1日量(1日に飲める最大量)として、
ツムラの葛根湯を3包とペラックT錠6錠を飲んでも、甘草の量は5g以内。
甘草の量的には副作用は起きにくいと考えられます。
ただ、漢方薬の飲み方によっては、気をつけないといけないケースもあります。
葛根湯を1日3回飲んで、
ペラックT錠も3回飲んで、
さらに、桔梗湯も1日3回、うがいして飲む。
こういう飲み方だと、甘草の量は5gを超えてしまいます。
この場合は、甘草の副作用のリスクが高くなるので、やめた方がいいと思います。
年配の方、腎臓のはたらきが悪い方は、甘草を過剰摂取していなくても、5g以内でも副作用がでることがあります。
不安な場合は、医者や薬剤師に確認してくださいね。
こういうケースもあるかもしれません。
例えば、毎日、1日3回漢方薬を飲んでいる方が、
ちょっと喉が痛い時にペラックT錠を飲むというケース。
ママ世代がよく使う漢方薬、
例えば、当帰芍薬散や桂枝茯苓丸、半夏厚朴湯には甘草が入っていません。
なので、ペラックT錠と併用しても問題ありません。
特に、半夏厚朴湯は、のどのつかえや違和感によい漢方でもあるので、
もしかしたら、ペラックT錠と一緒に飲もうと思う方がいるかもしれませんね。
ペラックT錠は半夏厚朴湯と一緒に飲んでも大丈夫です。
でも、加味逍遥散や抑肝散には1.5gの甘草が含まれています。
(他にも甘草が含まれている漢方薬はいろいろあります。)
こんな風に、漢方薬とペラックT錠を併用するときは、甘草の量に注意してくださいね。
ペラックT錠とロキソニンや風邪薬との飲み合わせ
ロキソニンといえば、解熱鎮痛剤。
頭痛の時に使うイメージがありますが、
風邪の咽頭炎、喉の痛みにも使われることがあります。
ペラックTとロキソニンの併用しても、飲み合わせに問題はありません。
同時に飲んでも、副作用が出たり、効果が下がることはありません。
まとめ、ペラックT錠と葛根湯の飲み合わせは甘草の量に注意して!
ということで、
ペラックT錠と漢方の葛根湯の飲み合わせについてお話してきました。
風邪をひいて喉が痛い、声枯れがする時に使われるペラックT錠には、漢方成分の甘草も含まれています。
通常量のペラックT錠と葛根湯の飲み合わせは問題ありません。
ただ、漢方薬の組み合わせによっては、副作用に注意しないといけない場合もあります。
その場合は、入っている甘草の量と副作用に注意してくださいね!