こんにちは。
ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水 みゆきです。
今回は、副鼻腔炎を抗生物質を飲まずに自力で治すために、私が使った漢方薬とハーブ(アロマ、ハーブティー)についてお話したいと思います。
ただの鼻風邪、鼻づまりかと思っていたら、鼻がつまりがひどくなって、熱っぽい。
頭痛までしてきた。
これって、典型的な副鼻腔炎の症状です。
私も経験がありますが、つらいですよね・・・。
副鼻腔炎もまだ鼻つまりくらいで症状が軽ければ、風邪と同じように、特に薬を飲まなくても自然治癒していきます。
ただ、もともと副鼻腔炎や蓄膿症になりやすい方は、症状が悪化しやすいです。
そして、ひどくなってしまうと、抗生物質の出番となることが多いです。
できれば、抗生物質だけに頼らずに、ひどくなる前に、早めになおしたいですよね!
というわけで、これから、私の経験談をもとに、副鼻腔炎によい漢方とハーブについて詳しくお伝えしますね。
・副鼻腔炎、蓄膿症になりやすくて悩んでいる方
・抗生物質なしで自力で副鼻腔炎を治したい方
目次
副鼻腔炎ってどんな症状?抗生物質が必要なのはどんなケース?
![副鼻腔炎には漢方やハーブが有効](https://lifekampo.xsrv.jp/wp-content/uploads/AdobeStock_221812689-600x400.jpeg)
鼻の上のあたりと横には空間があります。
これが、副鼻腔です。
そして、副鼻腔と鼻をつないでいる小さな穴があります。
ウィルスや細菌感染、アレルギー反応で粘膜がはれてしまうと、
この穴が閉じてしまって、副鼻腔に膿(うみ)がたまってしまいます。
つまり、風邪やアレルギー性鼻炎をきっかけにして、副鼻腔炎になってしまうんですね。
なので、副鼻腔炎になると、顔や鼻のまわりに痛みがでることが多いです。
この顔や頭の痛みは、副鼻腔炎が重症化したサインです。
特に、目の上(おでこの下の方)や目の下(頬のあたり)がいたくなったら危険です。
ここまで重症化してしまうと、自然治癒は難しくなります。
抗生物質を飲んだ方が治りが早いです。
また、副鼻腔炎になると、
鼻水がおちていく感じ(後鼻漏)があって、
鼻づまりがなくても、のどが荒れて声枯れしてしまうこともあります。
急性副鼻腔炎の多くは、細菌やウィルス感染が原因です。
風邪の細菌やウィルスが副鼻腔までいってしまって、炎症をおこしてしまいます。
急性の副鼻腔炎が3か月以上続くと、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)になってしまいます。
副鼻腔の膿がたまる
↓
ウィルスや細菌が増える
↓
粘膜が炎症を起こすという悪循環状態。
慢性副鼻腔炎になると、急性のときのように発熱や頭痛といった激しい症状はないものの、鈍い痛みや鼻やのどの不快感が続きます。
*最近は、アレルギーが原因の慢性副鼻腔炎も増えています。
こちらのブログに詳しく書いています。
すっきり治らない慢性副鼻腔炎、子どものためにママがハーブでできること
副鼻腔炎には、漢方も有効です。
細菌やウィルスが原因の副鼻腔炎にはどんな漢方が良いのか、
漢方専門の薬剤師の私がオススメするものをご紹介しますね!
副鼻腔炎を抗生物質なしで自力で治すために役立った二つの漢方薬
以前、子どもの風邪がうつってしまい、ひどいめにあったことがあります。
鼻水が止まらずにでるというよりは、
鼻がつまって、鼻全体が熱をもったよう。
発熱はないけど、頭がぼーっとぼんやりします。
そして、うつむくと、頬(目の下あたり)が痛くてたまりません。
「もしかして、副鼻腔炎?」
大人になって初めての経験。
副鼻腔炎になってしまっていました。
私の場合、痛みが頬から頭にひろがり、頭痛もひどくなってしまいました。
どうやら、急性副鼻腔炎だったようです。
ここまで悪化してしまったら、抗生物質を飲むしかないかなと思いましたが・・・
ちょうど週末で病院はお休み。
そこで、病院行かずに自力で治すために、漢方薬とアロマを試してみました。
漢方薬は、二種類の漢方薬を一緒にのみました。
副鼻腔炎をあたためて治す漢方薬、葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい、2番)
2つのうちのひとつは、
葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)という漢方薬。
名前の通り、葛根湯に川芎と辛夷を加えた漢方薬です。
川芎と辛夷の2つの生薬が入ることで、鼻づまりに特化した漢方薬になります。
あたためながら治す漢方薬です。
葛根湯加川芎辛夷について詳しくはこちらのブログをどうぞ。
風邪の後の鼻づまりには市販薬の漢方、葛根湯加川芎辛夷を試してみて!
こちらは市販のツムラの葛根湯加川きゅう辛夷。
市販の漢方は、医療用の1/2量になります。
こちらは、市販のクラシエの葛根湯加川きゅう辛夷。
錠剤タイプです。
市販の漢方は、医療用の1/2量になります。
こちらのブログ記事も参考にしてください。
夜眠れない子供の鼻づまりをやわらげる漢方薬やハーブのケア
副鼻腔炎を攻めて治す漢方薬、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう、104番)、チクナイン
もう一つの漢方薬が、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)です。
清肺というのは、鼻の炎症をとって、肺や気管支の熱をおさえるという意味があります。
この漢方にも辛夷(しんい)が入っています。
鼻づまりを改善し、頭痛や黄色い鼻水(膿性鼻汁)によい生薬です。
葛根湯加川きゅう辛夷よりも、鼻に強い炎症、熱っぽい感じがある時に使います。
さらに攻めの漢方薬って感じです。
辛夷清肺湯について詳しくはこちらのブログをどうぞ。
風邪の後に咳が続く原因となる後鼻漏に役立つ市販薬の漢方チクナイン
辛夷清肺湯は、市販されています。
チクナインという名前で、ドラックストアでも売っています。
鼻の炎症をおさえて膿をだし、
鼻づまりや副鼻腔炎、蓄膿症に使われる漢方薬として、小林製薬から販売。
カタカナの名前ですが、中身は辛夷清肺湯と同じです。
生薬量(成分量)は、医療用よりも少なめです。
錠剤タイプは5歳から服用可能です。
子どもも授乳中でも飲める、副鼻腔炎に役立つ2つの漢方、葛根湯加川芎辛夷と辛夷清肺湯
![](https://lifekampo.com/wp-content/uploads/P5111109-300x225.jpg)
葛根湯加川きゅう辛夷も、辛夷清肺湯も、どちらの漢方薬も子どもでも飲むことができます。
(量は子ども用に調節する必要があります。)
ただ、辛夷清肺湯は味が独特です。
もしかしたら、苦手な子どもも多いかもしれないですね。
そんな場合は、こちらも参考にしてくださいね。
漢方薬の飲み方で苦くないコツ、薬剤師オススメの子どもへの飲ませ方
また、どちらも、授乳中のママでも安心して飲める漢方薬です。
繰り返しになりますが、最後に注意点。
市販の葛根湯加川キュウ辛夷も辛夷清肺湯も、どちらとも入っている成分が、医療用の半分の量です。
飲み忘れると、効き目もよくないです。
しっかりと飲んでください。
副鼻腔炎になりやすい、繰り返す方にオススメのハーブ(ハーブティーとアロマ)
![](https://lifekampo.xsrv.jp/wp-content/uploads/P1213220-400x300.jpg)
副鼻腔炎にオススメのアロマ(精油) ユーカリ・ラヴィンツァラ
副鼻腔炎や蓄膿症には、アロマ(精油)も有効です。
なんといっても、アロマ成分が鼻からはいっていくので、ダイレクトに効いていきます。
特に副鼻腔炎におすすめのアロマが、ラヴィンツァラとユーカリ ラディアタです。
両方の精油に含まれている1,8-シネオールという成分が、鼻の炎症をおさえて、たまった鼻水や膿を外に出すようにはたらきます。
副鼻腔炎にとてもよい組み合わせのアロマです。
メディカル使用の場合は、プラナロムというメーカーの精油がおすすめです。
私は、ロールオン容器に高めの濃度でつくって、2~3時間おきに鼻の横に塗っていました。
(目に入らないように注意してくださいね。)
刺激が少ないアロマなので、子どもや授乳中にも安心して使えます。
もちろん、漢方薬と一緒にアロマを使っても特に問題はありません。
むしろ、相乗効果が期待できると思います。
副鼻腔炎にオススメのハーブティー カモミール・エルダーフラワー
ハーブティーだけで副鼻腔炎を改善するのは難しいと思います。
副鼻腔炎になりかけの時、漢方やアロマとあわせて使うのがオススメです。
ハーブティーを淹れた時に、香り(蒸気)を鼻から思いっきり吸うといいですよ^^
ハーブティーについては、簡単な自家製ハーブティーの作り方、初心者向けハーブ生活のはじめ方に詳しく書いていますので、参考にしてくださいね!
副鼻腔炎におすすめのハーブティーといえば、ジャーマンカモミールとエルダーフラワーです。
カモミールは、鼻の粘膜の炎症を改善効果が期待できます。
エルダーフラワーも粘膜をきれいにして鼻の症状によいハーブです。
抗生物質とエルダーフラワーとの併用で副鼻腔炎のなおりがよくなったとも報告されています。
(抗生物質の効果を高めたというよりも、副鼻腔炎の改善をエルダーフラワーがサポートしたと考えられます。)
![](https://lifekampo.com/wp-content/uploads/ワードプレスプロフィール.jpg)
もちろん、どちらのハーブティーも子供も一緒に飲むことができます。
(カモミールはキク科アレルギーの方は注意)
私の場合、漢方やハーブを使って2日間ほどで、鼻の熱っぽい感じや頭痛もスッキリ。
結局、病院に行かずにすみました。
漢方とハーブのケアで抗生物質なしで自力で副鼻腔炎を治すことができました。
漢方とアロマのちからを改めて実感しました!!
まとめ
ということで、
抗生物質なしで自力で副鼻腔炎を治すために、私が使った漢方薬とハーブ(アロマ)についてお話しました。
今回ご紹介した漢方薬もハーブも、子どもも、授乳中でも安心して一緒に使うことができます。
私は大人になって初めて副鼻腔炎になりました。
私と同じように大人になって初めてだったり、
出産後に初めて副鼻腔炎になる、
そういう話もよく聞きます。
お母さんって、毎日忙しいですもんね。
経験上、副鼻腔炎って、疲れがたまったり、からだが冷えたときになることが多いようです。
まさに、からだの抵抗力が弱って風邪もひきやすい状態の時ですよね。
副鼻腔炎になりにくい体つくりのためにも、
漢方やハーブのちからをかりながら、毎日の暮らし方から整えていきましょう!!
![](https://lifekampo.com/wp-content/uploads/P4170010-279x300.jpg)
清水 みゆき
漢方調剤薬局につとめる現役ママ薬剤師&ハーバルセラピスト。
私や家族の漢方体験談などはこちらをご覧くださいね。
一見、難しそうな漢方やハーブ。
家族の健康を守るママにこそ、良さを知って役立てて欲しい!と専門性を生かして活動しています。
2016年度からは、完全オリジナルの漢方やハーブのオンラインレッスンをスタート。「やさしい言葉でわかりやすく、すぐに実践できる!」と好評いただいています。
講座や講演、執筆活動を通じて心と体にやさしい漢方やハーブで健やかな毎日を過ごすためのヒントを発信しています。
■薬剤師、漢方薬・生薬認定薬剤師
■JAMHA認定ハーバルセラピスト
![](https://lifekampo.com/wp-content/uploads/P4170010-279x300.jpg)
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