こんにちは。
ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水 みゆきです。
この記事では、
「急に強い不安感に襲われる」「なかなか眠れない」
気持ちが不安定な時に試して欲しい漢方薬について、お話します。
「なんとなく気持ちが不安定な時(曖昧ですが)に使う漢方薬はありますか?」
メルマガ読者さんから、ご質問いただきました。
ありますよね・・・
毎日じゃないんだけど、
なんとなく気持ちが落ち着かない、イライラしたり、不安になったりする時。
私も同じです。
仕事や子育て、お家のこと、忙しいママにとって
あるある!ですよね。
薬を飲むほど、病院に行くほどではないけど・・・
もっとやさしくて穏やかな方法でさっと落ち着けたらなあ。
って思いますよね。
そんな時、実は、漢方も選択肢になります。
今回紹介する漢方薬は、赤ちゃんにも使われる漢方薬で、薬というよりは薬膳的な食べ物みたいな漢方です。
それでは、ちょっと心配性な私の経験談を交えながら、詳しくお話してきますね!
目次
イライラして落ち着かない、不安感が強い時にオススメの漢方薬、甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう、72番)
心にやさしい甘麦大棗湯
精神的な不安が強い、
イライラ感があって落ち着かない、
感情の起伏が激しい、
そういう時に使われる漢方薬に、甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)があります。
勤務先の薬局では、気持ちが不安定で不安感が強い時に、甘麦大棗湯を飲む患者さんが多いです。
甘麦大棗湯は3つの生薬からできています。
甘草(かんぞう)・小麦(しょうばく)・大棗 (たいそう)です。
小麦はしょうばくと読みますが、コムギのこと。
甘草はリコリスというハーブと同じ。
大棗はナツメ。
なんだか、薬というよりは、食べ物みたいですよね。
穏やかな薬膳的な雰囲気^^
なのに、効果がある!
漢方の奥深いところだなあって、つくづく思います^^
ひとつひとつは食品なのですが、
組み合わせることで、
漢方としての効果を発揮する、
まさに医食同源(薬食同源)!
この言葉がぴったりの漢方です。
甘草・小麦・大棗は3つとも甘い味です。
この甘さには神経を穏やかにするはたらきがあります。
漢方的にいうと、気を補いつつ、精神安定する感じです。
甘麦大棗湯は、気を補いながら、
お腹から胸のあたりの気のバランスの崩れを整えて、
興奮した状態を鎮めます。
そうすることで、
精神的に不安定な状態が改善するんですね。
大人だけでなく、子どもの夜泣きやひきつけ、チックに使われる漢方です。
食べ物のような漢方薬なので、子どもにも安心です。
急に不安感におそわれる時、
涙がでそうになって気持ちがざわざわする時、
こういう時に、1包飲むと落ち着きます。
甘麦大棗湯を飲む時の注意点、副作用
食べ物のような漢方薬の甘麦大棗湯。
だけど、飲む時に気をつけないといけないこともあります。
まず第一に、
小麦が入っている漢方なので、小麦アレルギーの人は飲むことができません。
ほぼ食品材料の漢方薬なので、子どもが飲めるくらい安全なのですが、
甘草の量が多いので、むくみや血圧が上がるといった甘草の副作用にも要注意です!
甘麦大棗湯は即効性も期待できる漢方
漢方薬は毎日続けて飲んで、じっくり効くというイメージがありませんか?
甘麦大棗湯は、イライラして落ち着かない、強い不安感がある、
そんな時に1回だけ飲んでも即効性が期待できる漢方です。
(もちろん、毎日続ける飲み方もあります。)
不安を感じた時に飲んでみる、
こういうお試し的な飲み方をしてみるのもオススメです^^
私の甘麦大棗湯を飲んだ経験談
実は、私もちょっと前に甘麦大棗湯にお世話になりました。
というのが、
ちょっと心配事があったせいか、夜中に起きて眠れなくなってしまったんですね。
いつもは睡眠で悩むことはないのですが(^-^;
どうしても寝付けずに困りはてて、夜中に起きて甘麦大棗湯を1包飲みました。
おかげで、
いつの間にか朝になっていて助かりました!
即効性のある漢方って常備していると本当に便利です。
こんな風に、メンタル的に不安定で落ち着かずに眠れない
そういう時にもおススメの漢方薬です。
ただ、残念なことに、
甘麦大棗湯は市販されていません。
以前、松浦薬業から販売されていたのですが、中止になってしまいました。
甘草の副作用の問題でしょうか・・・?
使い勝手がよい漢方薬ですが、専門家の管理のもとに使ってほしい漢方ともいえるかもしれませんね。
甘麦大棗湯を処方してほしい場合は、
病院で処方してもらうか、漢方薬局で調剤してもらいましょう!
さいごに
というわけで、
「不安感が強い」「感情の起伏が激しい」
気持ちが不安定な時にオススメの漢方薬の甘麦大棗湯について、お話してきました。
甘草・小麦・大棗からできた漢方薬で、大人だけでなく子どもにも使われています。
即効性も期待できて、強い不安感がある時だけ飲んでも効果を感じる方も多い漢方です。
もし、病院に行くほどではないと思うけれど、心配な時に一度試してみる価値はあると思います!
ただし、明らかに病的な場合は診察や薬が必要です。