こんにちは。
ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水 みゆきです。
この記事では、漢方薬の種類(エキス剤、丸剤、煎じ薬)やいろいろな飲み方についてお話します。
漢方薬は土瓶で生薬(材料)を煮出して飲むもの、
つまり、漢方薬=煎じ薬と思っている人も意外と多いです。
確かに、むかしも今も、漢方薬は煎じ薬が基本です。
でも、実は漢方薬のカタチ(剤形)や飲み方には煎じ薬以外にもいろいろあります。
葛根湯の<湯>や桂枝茯苓丸の<丸>がもともとの漢方薬のカタチを表しています。
それでは、詳しくお話していきますね!
漢方薬の湯・散・丸・飲は剤形や飲み方の違い
超有名な漢方薬の葛根湯。
この葛根湯の<湯>は、湯液つまり、煎じ薬という意味になります。
◆湯(とう)剤:煎じて飲む漢方薬
生薬を煮出した(煎じた)ものです。
いわゆる煎じ薬ですね。
例)葛根湯、温経湯など<湯>がつきます。
もともと漢方薬は煎じ薬以外の飲み方もありました。
◆散(さん)剤:粉のままでのむ漢方薬
生薬を粉末にして混ぜたものです。
煎じないので、香り成分もそのまま取り入れることができるという特徴があります。
例)五苓散(五苓散)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)など<散>がつきます。
◆丸(がん)剤:粉を練って丸めてのむ漢方薬
粉末にした生薬をハチミツなどで丸めたものです。
例)八味丸(はちみがん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)など<丸>がつきます。
他に、お茶のように随時飲むことが目的だった<飲(いん)>がつく漢方薬もあります。
参蘇飲(じんそいん)、温清飲(うんせいいん)などです。
漢方の煎じ薬の欠点をカバーするため進化したエキス剤
漢方の煎じ薬には、
・生薬を煎じると、熱に不安定な成分がなくなってしまう
・煎じ薬をつくるために時間と手間がかかる
・持ち運びが大変
・煎じると、部屋中が生薬の独特のにおいが結構すごい
などのデメリット、欠点もあります。
(煎じる時の香りは私は好きなので個人差ありますが^^;)
煎じ薬が作れない、対応できない時に散剤や丸剤は便利でした。
現在、実際に使われている漢方薬のカタチはエキス剤がメインです。
病院などでもらうツムラの○○番とか包装された漢方薬は全てエキス剤です。
エキス剤とは、漢方薬を煎じた液をフリーズドライなどで加工して、顆粒や細粒にしたものです。
エキス剤は煎じる手間もなく、気軽に漢方薬を飲むことができる、保存が効くのが最大のメリットです。
エキス剤の漢方薬の名前をよくみると、
漢方の会社によっては、<料(りょう)>という文字が最後についていることがあります。
むかしは、散のまま、丸のままで飲んでいた漢方薬だけに<料>がつきます。
料=料理する、煎じるという意味です。
本来ならば、粉のまま、丸剤として飲むんだけど、煎じ液のようにして、エキス剤にしましたという意味になります。
なので、当帰芍薬散料や八味丸料と書いてあります。
漢方薬の効果的な飲み方:漢方は煎じるのが基本だからひと工夫!
エキス剤はとっても便利です。
ですが、やっぱり煎じ薬の方が、エキス剤より香りも味も効き目も優れています。
もともと漢方薬は湯剤として煎じたり、散剤や丸剤として飲んでいたわけですから、当然と言えば当然ですよね。
さらに、煎じ薬だと、生薬のひとつひとつ必要な種類、必要な量だけ足したりひいたりして、自分だけのオーダーメイドの漢方薬をつくることもできます。
「エキス剤では効き目を実感できなかったけど、煎じ薬では効果を感じた!」という話も勤務先の薬局でよく聞きます。
煎じ薬は、一日分を朝に煎じて、その液を1日3回にわけて飲むのが基本の飲み方です。
でも、子育て中の忙しいお母さんは、毎朝漢方薬を煎じるのはちょっと大変かもしれないですね。
煎じるのは無理だけど、漢方薬は効果的に飲みたい!
そういう場合は、エキス剤をお湯に溶かしてのむようにしましょう!
そして、煎じ薬と同じように香りと味を味わってくださいね。
インスタントコーヒーの感覚です。
きっと、漢方の効きめを体いっぱいに味わうことができるとおもいます!
漢方薬を効果的にのむコツ┃漢方薬は苦いけどオブラートは最後の手段で
まとめ
というわけで、漢方薬の種類(エキス剤、丸剤、煎じ薬)やいろいろな飲み方についてお話してきました。
せっかく飲む漢方薬ですから、効果的に飲んでしっかり効かせていきましょう!