妊娠中や授乳中に漢方を含む花粉症の市販薬タウロミンを飲んでよい?

花粉症の漢方のタウロミン

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こんにちは。
ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水 みゆきです。

この記事では、花粉症の市販薬タウロミンを授乳中や妊娠中に飲んでも問題ないか、についてお話します。

春の訪れはうれしいけれど、花粉症が始まると思うと憂鬱、
そういう方も多いですよね。

特に、授乳中や妊娠中だと、薬を飲んでいいのか悩みもつきないですよね。

 

花粉症や蕁麻疹に使われる市販薬にタウロミンがあります。

タウロミンは漢方成分と西洋薬成分が含まれる薬です。

私が以前勤務していた薬局では、花粉症シーズンの人気商品でした。

病院に行く時間がないから、市販薬でなんとか花粉症をしのぎたい、
薬局でタウロミンをすすめられたけど、授乳中や妊娠中でも大丈夫か不安、

そういう方のために、今回は、妊娠中や授乳中のタウロミンの服用について、詳しくお話していきますね。

 

この記事を書いた人

清水みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師およびJAMHA認定ハーバルセラピストの資格を持つ専門家。
大学院卒業後、製薬企業の研究職を経て、現在は漢方調剤薬局に勤務。
漢方とハーブの知識を活かして自然の力で健康づくりをサポートする活動をしています。

花粉症の市販薬タウロミンとは?

タウロミンは、漢方薬と西洋薬をブレンドした薬です。

 

十味敗毒湯という漢方薬やヨクイニンという生薬、
クロルフェニラミンという抗ヒスタミン薬、
さらに、ビタミン類やカルシウム、整腸剤などがタウロミンには配合されています。

薬局で買える市販薬で、花粉症の鼻炎、痒み、蕁麻疹などによく使われています。

漢方を含む花粉症の市販薬タウロミンは眠気の副作用にも注意して!

 

花粉症の市販薬タウロミンを授乳中に飲んでも大丈夫?

タウロミンの漢方成分、十味敗毒湯は授乳中でも服用に問題ありません。
(乳腺炎の治療に使われることもあります。)

 

タウロミンの西洋薬成分のクロルフェニラミンも、
母乳中に出る量は非常に少ないため、授乳中に飲んでも問題ないとされています。

しかも、タウロミンに含まれる量は医療用で使われるよりも少ないです。

 

でも、この成分には、眠気の副作用があります。

そのため、お母さんと同じように
赤ちゃんも眠たくなってしまう可能性があります。

という点で、お医者さんによって、意見が違う場合もあります。

私は、短期間や症状がひどい時だけ飲む場合は、問題ないと考えています。

一般的に薬を服用すると2時間ぐらいに母乳中の濃度がピークになります。

授乳直前か直後にタウロミンを飲むとよいです。

でも、新生児期は避けるようにしましょう。

 

授乳中の花粉症の薬については、こちらも参考にしてくださいね。
授乳中の花粉症に漢方の小青竜湯やアレグラなど薬を飲んでも大丈夫?

 

花粉症の市販薬タウロミンを妊娠中に飲んでも大丈夫?

大前提として、
妊娠初期の3ヶ月頃までは、特に赤ちゃんに影響が出やすい時期です。

自己判断で市販薬の服用はせずに、
産婦人科での検診時に相談した方がよいと思います。

 

それでは、タウロミンの成分が妊娠中に問題ないか、考えていきます。

タウロミンの成分表示をみると、
クロルフェニラミンマレイン酸塩という成分があります。

これが、抗ヒスタミン薬

鼻水、くしゃみや痒みを抑える成分です。
(鼻づまりへの効果は今一つです。)

クロルフェニラミンには、薬効のあるd体と薬効のないl体の異性体があります。

タウロミンに入っている成分は、dl-クロルフェニラミンマレイン酸塩。

薬効のあるd‐クロルフェニラミンだけを分離した薬が、医療用医薬品でいうポララミンです。

dl体は、異性体を分離しておらず両方が混ざっている状態です。
なので、タウロミンに含まれる成分では、ポララミンと同じ薬効を得るために倍量が必要となります。

 

「ポララミンという薬は、妊婦さんが飲める花粉症の薬だよ!」
薬剤師なりたての頃に、先輩薬剤師さんに教えてもらいました。

昔から使われていて使用実績があり、
妊婦へのリスクが少ないと考えられているからです。

なので、
タウロミンに含まれる抗ヒスタミン薬成分も、妊娠中の服用は問題ありません。

また、タウロミンの漢方成分、十味敗毒湯の妊娠中の服用は問題ありません。

 

問題は、タウロミンに含まれる生薬のヨクイニンです。

ヨクイニンには、子宮収縮させるはたらきがあることが知られています。

妊娠中にあえてリスクをとる必要はないと思うので、
個人的には、妊娠中にヨクイニンを飲むことは、あまりオススメできません。

タウロミンに含まれるヨクイニンの量はごくわずかなのですが・・・
なので、ヨクイニンを含むタウロミンの妊娠中の服用も、念のため控えた方がよいと思います。

 

こちらの文献では、妊娠中のハトムギ(ハトムギの種がヨクイニン)について報告されています。

一部、抜粋してご紹介しますね。

妊娠中のハトムギの製薬であるヨクイニンの内服については、
必ず産婦人科医師の管理のもとに行うべきである。

また、ハトムギの栄養補助食品も、
妊娠中は中止するか、もしくは医師と相談の上で使用するのが望ましい。

ただし、妊娠中にこれらの医薬品や食品を飲み続け、流産・早産・児の奇形等が発症したとする報告はない。

 

なので、タウロミンを知らずに飲んでしまった場合も、赤ちゃんに影響がでるのでは・・・と不安になる必要はありません。
安心してくださいね。

 

タウロミンの飲み合わせが気になる方はこちらのブログ記事も参考にしてくださいね。
花粉症薬タウロミンと漢方の小青竜湯や葛根湯、アレグラの飲み合わせ

 

まとめ

というわけで、
妊娠中や授乳中の花粉症の市販薬のタウロミンの服用についてお話してきました。

授乳中にタウロミンを服用する場合は、授乳直後か直前に飲むとよいです。

妊娠中のタウロミンの服用は、念のため控えた方がよいと思います。

ただし、知らずに飲んでしまっても不安になる必要はないので、安心してくださいね。

 

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