こんにちは。
ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水 みゆきです。
この記事では、妊娠中の花粉症対策に役立つ漢方薬について、お話します。
鼻水、くしゃみ、目のかゆみ、頭痛など、
花粉シーズンは、花粉症の妊婦さんにとってはツライ時期。
妊娠中はできるだけ、薬に頼らずにしたいけれど、
花粉症の症状が悪化したり、ストレスになるのもよくないですよね。
そこで、花粉症に悩む妊婦さんのために、漢方やハーブを使った花粉症対策を詳しくお話しますね!
・妊娠中で薬は飲みたくないが、花粉症をどうにかしたい方
・ひどい花粉症に悩む妊婦さん
目次
妊娠中の花粉症に使われる漢方薬
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「妊娠してから、花粉症になってしまった」
「なんだか、去年よりも花粉症がひどくなっている気がする」
花粉症の鼻水は、体に余分な<水>がたまって、水はけが悪くなり漏れ出た状態。
漢方的には、花粉症を水の巡りが悪くなった<水毒、水滞>と考えます。
妊娠中の体は水を蓄えようとするところがあり、水の巡りが悪くなりがちです。
漢方薬でも、水の巡りをよくするものが、花粉症対策に使われます。
妊婦さんの花粉症に安心して飲めるものを、漢方専門の薬剤師がご紹介しますね。
必ず専門家に相談の上、服用するようにくださいね。
花粉症の漢方薬といえば、小青竜湯(しょうせいりゅうとう、19番)
花粉症の漢方薬と言えば、小青竜湯が有名です。
子どもも飲める小青竜湯は花粉症にも鼻風邪や鼻炎にも役立つ漢方
ただ、この小青竜湯には、麻黄という生薬が含まれています。
葛根湯にも入っている麻黄は、発汗(汗を出す)するはたらきがあります。
だからこそ、風邪のひきはじめに効果的なんですが、
体力のある方むけで、妊婦さんには負担になります。
なので、妊娠中の小青竜湯は長期服用しないこと!
どうしてもつらい鼻水の時に、一時的に使うようにしましょう。
授乳中のママはこちらの記事も参考にしてくださいね。
授乳中の花粉症に漢方の小青竜湯やアレグラなど薬を飲んでも大丈夫?
麻黄を含まない漢方薬、苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう、119番)
小青竜湯と同じような使い方ができて、麻黄を含まない漢方薬、
それが、苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)です。
漢方らしい、ものすごく長い名前ですよね^^;
茯苓(ブクリョウ)
甘草(カンゾウ)
乾姜(カンキョウ)
五味子(ゴミシ)
細辛(サイシン)
半夏(ハンゲ)
杏仁(キョウニン)
漢方薬に入っている7種の生薬の名前の一文字をとって、名前がつきました。
小青竜湯から、発汗作用のある麻黄+桂枝、あと芍薬を抜いて、
杏仁と茯苓を加えた漢方です。
乾姜、五味子、細辛で、
小青竜湯と同じく体をあたためて、冷えを発散するはたらきもあります。
さらに、杏仁と茯苓で、
小青竜湯よりも、水の巡りをよくして、痰を抑える効果が強化されています。
市販薬の苓甘姜味辛夏仁湯もあります。
ただし、ツムラの漢方は医療用のみで市販されていないようです。
苓甘姜味辛夏仁湯は、小青竜湯と比べて、
胃腸が弱かったり、体力がない方向けの漢方薬になります。
麻黄を含む小青竜湯よりも、妊婦さんに使われています。
安産のお守りの当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん、23番)は、花粉症の体質改善にも!
花粉症には、水の巡りが悪くなる水毒に加えて、血の巡りの悪化も関係しています。
いわゆる血流が滞った<於血(おけつ)>状態です。
炎症が起こりやすい状態で、鼻や目、のどの粘膜に充血がおきて、過敏になり、炎症が悪化しやすくなります。
当帰芍薬散という漢方薬は、水の巡りも、血の巡りも改善します。
つまり、花粉症の人が持っている<水毒>と<於血(おけつ)>の体質を改善することができます。
さらに、当帰芍薬散は、切迫早産や流産予防にも使われる安胎薬。
妊婦さんも安心して飲むことができる漢方薬です。
妊娠中にやさしい漢方の当帰芍薬散は早産や流産予防する安産のお守り
当帰芍薬散は市販されています。
ただ、続けて飲むことが多いので、市販薬で続けるとお金がかかるかもしれません。
妊娠中でしたら、健診の時に相談して処方していただいた方がよいかと思います。
こちらはツムラの市販の当帰芍薬散。
錠剤タイプです。
当帰芍薬散は、鼻水や頭痛といった花粉症の症状をすぐ抑える即効性は期待できません。
でも、続けて飲むことで、花粉症シーズンのつらさを軽減することはできると思います!
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ここまで、妊娠中の花粉症の漢方薬についてお話してきました。
花粉症対策にオススメのハーブティーについてもご紹介したいと思います!
妊婦さんが飲める花粉症対策にオススメのハーブティー
![妊娠中の花粉症におすすめのハーブティー](https://lifekampo.com/wp-content/uploads/P2050801-600x400.jpg)
花粉症のハーブといえば、何と言ってもネトルです。
ドイツでは、春季療法といって、
春にでるアレルギー症状を予防するために、ハーブを積極的にとる自然療法があります。
簡単に言うと、春にそなえて行う体質改善。
ハーブのチカラで、冬の間にからだにたまった老廃物をだしてデトックスします。
春季療法に使われるネトルは、抗アレルギー作用にくわえて、
血液をきれいにしたり、尿をだすはたらきがあります。
鉄分やカルシウムなどのミネラルやビタミンも豊富なので、妊娠中の貧血予防にも効果的です。
クセのない香りで、飲みやすいハーブティーです。
ネトルとエルダーフラワーをブレンドしたハーブティーもオススメです。
エルダーフラワーには、抗アレルギー作用、利尿作用があり、鼻水や鼻づまりも和らげます。
もちろん、ネトルもエルダーフラワーも妊娠中でも安心して飲めるハーブティーです。
ハーブを使った花粉症対策は、こちらも参考にしてくださいね!
ブレンドハーブティーで妊娠中や授乳中も安心のやさしい花粉症対策
花粉症の目のかゆみには市販薬の漢方の飲み薬やハーブも試してみて!
さいごに
というわけで、
花粉症に悩む妊婦さんのために、漢方やハーブを使った花粉症対策について、お話しました。
花粉症の漢方薬は、体をあたためて、水の巡りをよくするはたらきがありました。
毎日の生活でも、冷えや水分のとり過ぎに気をつけて、花粉症を予防していきましょう!
この記事で他の花粉症対策についても、まとめています^^
子どもと一緒につらい花粉症を乗り切る漢方とハーブの花粉対策まとめ
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清水 みゆき
漢方調剤薬局につとめる現役ママ薬剤師&ハーバルセラピスト。
私や家族の漢方体験談などはこちらをご覧くださいね。
一見、難しそうな漢方やハーブ。
家族の健康を守るママにこそ、良さを知って役立てて欲しい!と専門性を生かして活動しています。
2016年度からは、完全オリジナルの漢方やハーブのオンラインレッスンをスタート。「やさしい言葉でわかりやすく、すぐに実践できる!」と好評いただいています。
講座や講演、執筆活動を通じて心と体にやさしい漢方やハーブで健やかな毎日を過ごすためのヒントを発信しています。
■薬剤師、漢方薬・生薬認定薬剤師
■JAMHA認定ハーバルセラピスト
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