こんにちは。
ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水みゆきです。
今回は、妊娠中のむくみや切迫早産、流産が心配な妊婦さんにオススメの漢方薬について、漢方専門の薬剤師がお話します。
私は血の巡りが悪い(お血)体質で、
加味逍遥散(かみしょうようさん)という漢方薬を飲んでいた時期があります。
そして、ちょうど加味逍遥散を飲んでいた時に、妊娠が判明。
妊娠がわかった時点で、加味逍遥散の服用はやめました。
その代わりに、妊娠中でも比較的安心な別の漢方薬、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)を服用しました。
というのは、加味逍遥散には、妊娠中の服用は慎重にする生薬が含まれているからです。
詳しくはこちらの記事で。
妊娠中の漢方の加味逍遥散は危険?妊婦経験ある薬剤師だから言える事
漢方薬といえども薬です。
妊娠中に漢方を飲むのは慎重にすべきです。
でも、安心して服用できる漢方で、妊娠中のマイナートラブルが改善されたら、うれしいですよね。
それでは、私の妊婦経験談をもとに、詳しくお話していきますね!
切迫早産や流産予防に使われる妊婦にやさしい漢方、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん、23番)
当帰芍薬散は、加味逍遥散と同じように
女性のお血(血の巡りが悪い)体質や血の道症の改善に使われる漢方薬です。
そして、当帰芍薬散は、<安胎薬:あんたいやく>としても有名な漢方薬です。
おなかの中のあかちゃんにも、
母体にもよい薬。
妊娠を安定的に維持するはたらきがある。
当帰芍薬散には、
<血>を補いながら、おだやかに<血>の巡りをよくする、
また、<水>の巡りもよくする、
こういうはたらきがあります。
からだをあたためて、冷えを改善してくれます。
そして、
切迫早産や流産予防して胎児を守り、
妊娠中毒症や貧血、めまい、むくみを防ぐことで、
妊娠初期から出産まで、妊婦さんをサポートしてくれます。
妊娠中のマイナートラブルにも効果的なんですね。
妊娠にやさしい漢方の当帰芍薬散は、
妊娠前、妊娠初期、出産後のどの時期でも飲むことができる漢方薬です。
でも、妊娠といえば、つらい悪阻がつきもの。
ご飯も食べられないくらい悪阻がひどいのに、
漢方薬を飲まないといけないの?
想像するだけで気持ち悪くなってしまうかもしれないですよね。
お医者さんから特別な指示がない場合や、
健康な妊婦さんの場合、飲めないときには、無理して飲む必要はありません。
飲み方も1日3回しっかり飲まなくても、
1日1回飲むだけでも大丈夫です。
ウテメリンの代わりの漢方!?私が妊娠中も漢方の当帰芍薬散の服用を続けた理由
妊娠したら、必ず当帰芍薬散を飲まないといけない
そういうわけではありません。
私の場合、
これまで加味逍遥散を飲んで、からだを整えてきたわけです。
なのに、急に漢方薬をすっかりやめてしまったら・・・
からだに影響がでる可能性もあります。
それならば、
妊娠にやさしい漢方薬にきりかえて様子をみた方がいい!
そういう理由で私は妊娠発覚をきっかけに、
加味逍遥散から当帰芍薬散に飲む漢方薬をかえて続けることにしました。
あと、一人目の妊娠中にお腹がはりやすかった私。
薬剤師って立ち仕事が中心なんです。
気をつけて休むようにしていましたが、どうしても負担がかかってしまうんですよね。
ウテメリン(リドトリン)っていう流産や早産の予防に使う、
子宮の収縮をゆるめる薬を飲んだこともあります。
動悸がしたり、気持ちが悪くなることあります。
この副作用(特に動悸)をやわらげるために、
当帰芍薬散とウテメリンを併用することもあります。
私はウテメリンを飲んでも副作用はでませんでしたが、
できれば、薬は飲みたくなかったので、2回くらいしか飲みませんでした。
そのかわりに、当帰芍薬散をお腹のはりや流産予防も期待して飲んでいました。
(私の中ではウテメリンの代わりの漢方って感じですね)
でも、実は、悪阻がひどくなり、
当帰芍薬散は1か月くらいしか飲むことができませんでした。
それでも、大切な時期に、私のからだを支えてくれた漢方の当帰芍薬散には感謝の気持ちでいっぱいです!
飲めなくても、ずっとお守りとして大切にしていました。
そして、残った当帰芍薬散は産後の回復のために飲みました^^
当帰芍薬散は、授乳中に飲んでも問題ありません。
まとめ
というわけで、妊娠中のむくみや切迫早産、流産が心配な妊婦さんにオススメの漢方薬の当帰芍薬散について、お話してきました。
勤務先の薬局でも、患者さんの妊娠がわかると、
加味逍遥散や温経湯といった漢方から、当帰芍薬散に変更になるケースによく出会います。
「元気な赤ちゃんが生まれますよ!」
<安産のお守り>として、当帰芍薬散をお渡ししています。