こんにちは。
ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水 みゆきです。
この記事では、インフルエンザや風邪の発熱や喉の痛みに効果がある漢方薬、桂麻各半湯(けいまかくはんとう)についてお話しします。
「急にのどが痛くなってきた。だけど、寒気や発熱はそんなにひどくない。」
「葛根湯は体質的に合わない」
という方に、桂麻各半湯はおすすめの漢方薬です。
それでは、詳しくお話ししていきますね!
目次
風邪かインフルエンザかわからない、発熱やのどの痛みの初期症状にまずは漢方薬を!
風邪のひきはじめの薬として、葛根湯が有名ですね。
インフルエンザ検査で陰性だったけど、
インフルエンザかもしれない、
これから熱があがりそう、
そんななときにも葛根湯は効果的です。
こちらのブログ記事にも書いています。
麻黄湯と葛根湯、インフルエンザの発熱や痛みにどちらの漢方を使う?
風邪の引き始めの漢方、葛根湯があわない、強すぎる体質の方もいる
葛根湯も麻黄湯も、からだをあたためて汗をかかせるはたらき(=発汗作用)が強い漢方薬です。
ゾクゾクと寒気がして発熱しているけど、汗がでないときにつかいます。
体温の設定温度をあげて発汗することで、からだの表面から邪気を発散させます。
ただ、かなりパワフルな漢方薬です。
パワフル過ぎて、体質的に葛根湯や麻黄湯はあわないという方もいます。
発汗しすぎて、無駄に体力を消耗してしまうことも・・・。
そういう方は熱がでるときにも、汗がじわ~っと漏れ出てくることが多いです。
すっきりする汗というよりは、ちょっと不快な汗。
こういうタイプの方にあう漢方薬は、桂枝湯(けいしとう)が有名です。
でも、麻黄湯や葛根湯があう人に桂枝湯を使うと、パワー不足で発汗することができず、
熱がさがらずにこじれていまいがちです。
症状だけでなく、
ひとりひとりの体質にあわせた漢方薬を選ぶことが大切なんですね。
葛根湯や麻黄湯は強すぎるけど、桂枝湯では物足りない…
私は胃腸があまり強くないので、麻黄湯は強すぎます。
症状によっては、葛根湯も数日間続けて飲むのは、体の負担になることも…。
でも、桂枝湯ではもの足りない(効かない)感じです。
そんな私の強い味方が、桂麻各半湯(けいまかくはんとう)という漢方薬です。
桂麻各半湯(けいまかくはんとう)とはどんな漢方薬?葛根湯との違いは?
桂麻各半湯は、文字通り、麻黄湯と桂枝湯を半分ずつ混ぜたものです。
・桂枝湯=桂皮+芍薬+大棗+生姜+甘草
・麻黄湯=麻黄+杏仁+桂皮+甘草
つまり、桂麻各半湯=麻黄+杏仁+桂枝湯(桂皮+芍薬+大棗+生姜+甘草)
ちなみに、葛根湯=葛根+麻黄+桂皮+芍薬+大棗+生姜+甘草です。
桂皮に麻黄が加わることで、
桂枝湯よりも発汗作用はパワーアップ。
さらに、杏仁が入っているので、
咳をおさえたり、痰をとりのぞくはたらきも追加されています。
杏仁は、葛根湯には入っていない生薬です。
麻黄の量は麻黄湯の半分なので、
発汗しすぎて体力を消耗する心配も少ないです。
しかも、大棗、生姜、甘草が入っていて、胃腸にやさしいです。
葛根湯にも、大棗、生姜、甘草は入っていますが、麻黄の量が3gと多いんですね。
こんな違いがあります。
麻黄湯や葛根湯とは違って、寒気がないけど、喉が痛いという風邪の引き始めにも桂麻各半湯は効果的です。
また、インフルエンザや風邪の発熱のピークは過ぎたけど、まだ熱はあるという時にも使われます。
葛根湯もいいですが、桂麻各半湯はもとても使い勝手のよい漢方薬です。
桂麻各半湯は市販されている?
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でも、残念なことに桂麻各半湯は、ドラックストアでは売っていません。
メルマガ読者さんから教えていただいたのですが、お住まいの地域によっては、薬局やドラックストアで販売されているそうです。
(私が住む富山では見つけられていません)
また、再度調べてみたところ、ネットで購入できる市販の桂麻各半湯がありましたので、ご紹介します。
実は、医療用漢方薬でも、桂麻各半湯はツムラやクラシエといったメーカーからも販売されていないんです。
(台湾のメーカーさんでは取り扱っています。私はそちらを処方してもらってつかっています。)
私のようなタイプの方にはおすすめの漢方薬です。
まとめ:風邪の熱や喉の痛みに効く漢方けいまかくはんとう、葛根湯との違いは?
というわけで、
私も常備している漢方薬、桂麻各半湯(けいまかくはんとう)について、葛根湯との違いも交えつつお話ししてきました。
早めの漢方薬で風邪もインフルエンザもこじらせずにいきましょう!