「小青竜湯の市販薬ってどう選べばいいの?」
「ツムラとクラシエの違いはある?」
小青竜湯は、鼻炎や花粉症だけでなく、うすい水様の痰や咳、くしゃみなど幅広い症状にも使われている処方です。
とくに西洋薬で眠気が出やすい方にも選ばれる漢方薬としてよく知られています。
この記事では、市販の漢方薬の小青竜湯のメーカーによる処方の違い・医療用との違い、選び方について、漢方専門の薬剤師の視点でわかりやすく解説します。
✔ 飲みやすさ重視なら錠剤タイプ
✔ 体力や体質によっては、あえて少なめの処方が合うことも
目次
小青竜湯の適応は?花粉症・鼻炎・風邪の症状にどう効く?
小青竜湯は、
透明でサラサラした鼻水・くしゃみ・水っぽい痰をともなう咳などに使われる代表的な漢方薬です。
よく「花粉症の漢方薬」と思われがちですが、本質はそこではありません。
漢方薬は、花粉症や風邪といった病名ではなく、今出ている状態に合わせて選びます。
つまり、
× 花粉症だから小青竜湯
〇透明な鼻水が止まらないから小青竜湯
という考え方です。
小青竜湯が合う人チェックリスト
以下に当てはまる方は、小青竜湯が合う可能性が高いです。
✔️透明でサラサラの鼻水が止まらない
✔️くしゃみが連続して出る
✔️冷えると悪化する
✔️水っぽい痰を伴う咳
逆に、
❎黄色や粘りのある鼻水
❎強い喉の痛み
❎高熱がある
この場合は、別の漢方薬が合うことが多いです。
小青竜湯の市販薬の処方の違いは?
小青竜湯は、ツムラやクラシエなどいろいろなメーカー(製薬会社)から市販されています。
市販の小青竜湯は、処方量などに違いがあることをご存じでしょうか?
基本の生薬構成はどのメーカーもほぼ同じです。
市販の小青竜湯の処方の違いポイントは次の4点です。
✅生薬エキス量、満量処方かどうか
✅剤形(顆粒・錠剤)
✅添加物
✅価格
とくに大きな違いが「満量処方(まんりょうしょほう)」かどうかです。
満量処方とは、医療用と同じ基準量の生薬エキスが入っているタイプのことをいいます。
くわしくは後ほど解説します。
小青竜湯の市販と医療用の処方の違い【ツムラ19番との比較】
次に、医療用の漢方薬と市販の漢方薬の違いについてお話します。
医療用の小青竜湯
病院で処方される漢方薬には、小青竜湯なら「ツムラ19番」というように番号がついています。
これは医療用として販売されている、ツムラの小青竜湯です。
医療用は、医師の診察を前提に処方されるため、基本的に標準量(基準量)の生薬エキスが配合されています。
市販の小青竜湯は成分量が違うことがある
一方、ネットやドラッグストアで購入できる市販の小青竜湯には、
・医療用と同じ量のタイプ
・やや少なめのタイプ
があります。
メーカーによっては、副作用リスクを考慮してあえて生薬エキス量を減らしている製品もあります。
漢方薬の生薬の量が少ない方が万人向けというか、からだにもやさしいという考え方です。
「ドラッグストアの漢方薬は効かない」と言われることがありますが、
この成分量が少ないことが理由のケースも少なくありません。
満量処方とは?
満量処方(まんりょうしょほう)とは、
国が定めた基準の中で最大量の生薬エキスを配合したタイプ のことです。
✔ 医療用と同じ成分量
✔ 同程度の効果が期待できる
パッケージに「満量処方」と記載があるものは、医療用と同量タイプと考えてよいでしょう。

薬局やドラックストアで売っている漢方薬には、
パッケージラベルに<満量処方>と書いてあることもあれば、特に記載がない場合もあります。
<満量処方>と書いてあれば、この漢方薬が医療用と同じ漢方薬ということになります。
小青竜湯の市販薬はどれがいい?処方量で選ぶポイント
症状がはっきり出ている方は、満量処方を選ぶことが多いです。
もちろん、漢方薬として強力なのは、満量処方の漢方薬になります。
クラシエ薬品の市販の小青竜湯(顆粒タイプ)は、満量処方です。
クラシエの市販の小青竜湯(満量処方)
こちらはクラシエの<満量処方>の小青竜湯。
医療用と同じ成分量です。
ただし、市販のクラシエの小青竜湯でも、錠剤タイプの小青竜湯EXは、満量処方ではありません。
注意してくださいね。

漢方のにおいや味が苦手という方には、錠剤タイプはのみやすくてありがたいですね。
(小青竜湯は酸っぱいというか、味が苦手な方が多い漢方薬ですし…)
小青竜湯には麻黄が含まれるため、少なめタイプの方が副作用リスクは抑えられます。
体力があまりない方や高齢の方は、必ずしも成分量が多い方がよいとは限りません。
また、花粉症の時期にしばらく飲み続ける場合は、効くのであれば成分量の少ない方が負担が少ないという選び方もあります。
ツムラの市販の小青竜湯
ツムラの市販の小青竜湯は、医療用の1/2量です。
少ない量でも効くなら、それがその方にとっての「適量」です。
そのあたりは、そのときの症状やその人の体質で選ぶことが大切になってきます。
(そのための薬剤師さん、専門家ですね。)
小青竜湯の副作用と合わない場合の選択肢
小青竜湯の副作用リスク
小青竜湯は、副作用が特別に出やすい漢方薬ではありません。
ただし、含まれている生薬の影響で以下のような症状が出ることがあります。
・麻黄による動悸、食欲不振、胃の不快感
・甘草によるむくみや血圧上昇(偽アルドステロン症)
とくに甘草を含む漢方薬を長期間服用する場合は、むくみや体重増加、血圧上昇などに注意が必要です。
症状が出たらすぐに服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。
以下の方は、自己判断での長期服用は避けましょう。
・高血圧の方
・心疾患のある方
・妊娠中の方
また、もともと胃腸が弱い体質の方が飲むと、胃もたれや吐き気が出ることがあります。
その場合は、空腹時を避けて食後に服用すると症状がやわらぐこともあります。
小青竜湯が合わない場合の選択肢
小青竜湯が合わない場合は、麻黄を含まない処方を検討することもあります。
たとえば
麻黄が入っていない苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)などが選択肢になることがあります。
妊娠中に花粉症の薬は飲めない?悩む妊婦さんに教えたい漢方とハーブに詳しく書いています。
体質や症状に合わせて選ぶことが大切です。
小青竜湯の選び方まとめ
✔️まずは鼻水の状態を見る
✔️冷えがあるか確認する
✔️ 市販品は処方量・剤形で選ぶ
「市販の小青竜湯 どれがいい?」の答えは、
商品名ではなく、あなたの今の体の状態に合うかどうかです。
小青竜湯のよくある質問(FAQ)
現役薬剤師として店頭で相談を受けていると、以下のようなご質問をいただくことがあります。
Q. 小青竜湯は眠くなりますか?
一般的な抗ヒスタミン薬のような強い眠気は起こりません。
仕事や学校、車の運転も安心です。
Q. 小青竜湯は花粉症専用の薬ですか?
いいえ。
透明な鼻水が出る状態であれば、風邪の初期などにも使われます。
Q.小青竜湯は何日くらい飲めばいいですか?
早い場合は30分程度で鼻水がとまることがあります。
数日で改善傾向が見られることが多いですが、長引く場合は病院を受診しましょう。
Q. 小青竜湯は子どもも飲めますか?
製品ごとに年齢制限が異なるため、添付文書を確認してください。
例えば、市販のクラシエの小青竜湯(満量処方)は、4歳未満は服用しないこととなっています。
毎年、花粉症がつらい方へ
花粉症の時期に重宝する、市販の小青竜湯の選び方についてお話しました。
漢方薬は万能ではありません。
ですが、今の症状に合っていれば、しっかり力を発揮してくれます。
突然の鼻水やくしゃみ。
風邪のひきはじめの透明な鼻水。
「病院に行くほどではないけれどつらい」
そんなときに、自分で選べる知識があると安心です。
市販の小青竜湯を選ぶときは、
✔ 鼻水の状態
✔ 満量処方かどうか(成分量)
✔ 副作用のリスク
を確認してみてください。
少ない量でも効くなら、それがあなたにとっての適量です。
毎年症状を繰り返している方は、体質から整える方法もあります。
ほかの花粉症対策もまとめていますので、よろしければ参考にしてくださいね。
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なんとなく生薬を混ぜているわけじゃないんですね。