顔面痛の原因となる冷えで悪化する三叉神経痛を改善する漢方薬

この記事には、商品のプロモーションを含む場合があります。

この記事では、三叉神経痛などで起きる顔が痛い顔面痛を改善する漢方薬について、<冷え>に注目して解説します。

こんにちは、ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水みゆきです。

 

突然ですが、
顔に痛みを感じたことってありますか?

顔をぶつけたときのケガや
虫歯や歯の痛み以外での話です。

 

以前、私は副鼻腔炎になったときに経験があります。

ちょうど頬骨の下あたりに感じる鈍い痛み。
うつむくとさらに痛みが増して・・・。

風邪などのウイルスが、副鼻腔まで入ってきて炎症をひきおこしたのが副鼻腔炎。

副鼻腔は4つあります。
炎症がひどい場所によって、頬の他に、鼻、おでこと痛みの場所がかわってきます。

そのときの話はこちらの記事に詳しく書いています。
「副鼻腔炎を抗生物質なしで自力で治すために私が使った漢方薬とハーブ」

 

顔の痛みつまり顔面痛は、口や目を含む顔面の痛みのこと。

副鼻腔炎以外に、
帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛(後遺症)、
三叉神経痛、
頭痛、
原因としては、いろいろ考えられます。
(分類できない非定型顔面痛もあります)

その中でも今回は、顔面痛の原因となる冷えで悪化する三叉神経痛を改善する漢方薬についてお話します。

 

この記事を書いた人

清水みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師およびJAMHA認定ハーバルセラピストの資格を持つ専門家。
大学院卒業後、製薬企業の研究職を経て、現在は漢方調剤薬局に勤務。
漢方とハーブの知識を活かして自然の力で健康づくりをサポートする活動をしています。

三叉神経痛の顔面痛を改善する漢方薬、清上けん痛湯、五苓散、桂枝加朮附湯

三叉神経痛の顔面痛には漢方が有効

三叉神経痛とは?

顔が痛くてひりひりしたり、
朝だけ電気がはしるように痛い、
風や寒さにあたると強く痛むという顔の痛み。

<痛い>感覚を伝えているのが、三叉神経です。

痛みだけでなく、冷たさ、あたたかさ、触れた感じなども脳に伝えるはたらきがあります。

三叉神経の近くにある血管が圧迫すると、
神経に傷がついたようになってしまって混線して、触った感覚なのに、痛みとして伝わってしまいます。

これが三叉神経痛です。

 

痛みに効く薬といえば、
ロキソニンやボルタレンといった鎮痛薬(NSAIDs)が真っ先に思い浮かびます。

ですが、
顔面痛や三叉神経痛に使われる西洋薬は、
テグレトールといった抗けいれん薬、抗うつ薬や抗不安薬がメインです。
(最近はリリカという薬がよく使われています)

一般的な鎮痛薬は効果がありません。
手術やブロック療法がおこなわれることもありますね。

 

思うように効果が出ない、
眠気や吐き気などの薬の副作用などで続けられない、
ずっと薬を続けることに不安がある、
こういうときに漢方薬も選択肢のひとつになります。
(もちろん、漢方薬と西洋薬の併用もありです)

どんな漢方が良いのか、
漢方専門の薬剤師の私がオススメするものをご紹介しますね!

 

三叉神経痛の顔面痛や目からくる頭痛に使う漢方薬、清上けん痛湯(せいじょうけんつうとう)

 

三叉神経痛の症状の出はじめなら、葛根湯も効果的です。

体の水分代謝をよくする漢方薬の五苓散(ごれいさん)
三叉神経のむくみを減らすことで、痛みをやわらげると考えられています。
低気圧頭痛に悩むあなたに教える、ロキソニンよりオススメの漢方薬

 

そして、顔の痛みに効く漢方薬として有名なのが、
清上けん痛湯(せいじょうけんつうとう)です。
(駆風触痛湯(くふうしょくつうとう)とも呼ばれています。)

目の奥がガンガンする痛み、
チカチカする三叉神経痛、
寒い風にあたると顔が痛む、
こういう症状があるときには、清上けん痛湯がおすすめです。

目からくる頭痛にも効果的です。

 

急にはじまった痛みよりも、
痛みや症状がなかなか治らない、ずっと続いているというときに使われます。

 

清上けん痛湯は、14種類の生薬からできている漢方薬です。
この生薬のほとんどが痛みをとるはたらきがあります。

気や血のめぐり、水分代謝をよくし、
いろいろな方向から頭痛や顔面痛を改善していきます。

 

ただ、この漢方薬は医療用のものがありません。
なので、病院で処方してはもらえません。
漢方薬局などで購入できます。

 

清上けん痛湯は、目にも症状がでるという他に、
寒さで悪化する痛みが特徴的です。

というのは、冷えると、血流が悪くなって痛みが出やすいからです。

 

冷えで悪化する顔面痛に注目して、もう一つオススメの漢方をご紹介します。

 

三叉神経痛の顔面痛や目からくる頭痛に使う漢方薬、桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう、18番)

 

冷えからくる痛みによい漢方薬が、
桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)です。

風邪の初期に使われる漢方薬で、桂枝湯(けいしとう)があります。
桂枝湯には、からだをあたためて、痛みや熱をやわらげるはたらきがあります。

桂枝湯だけでも顔面痛や頭痛に使われることもあります。

さらに、
水のめぐりをよくする蒼朮(そうじゅつ)、
からだをあたため、痛みをとるはたらきがある附子(ぶし)
この二つの生薬を加えてパワーアップした漢方薬が桂枝加朮附湯です。

冷えると悪化する痛み、もともと冷え症な方の痛みに使われます。

 

一般的に虚証といわれる胃腸が弱い方向けの漢方薬です。

三叉神経痛にも使われますが、特に、帯状疱疹後の神経痛に効果的です。

また、単純な頭痛にはあまり使いませんが、
後頭神経痛のようなぴりぴりとした痛みには使われることもあります。

 

まとめ、冷えで悪化する顔面痛には漢方薬も有効

 

ということで、顔面痛の原因となる冷えで悪化する三叉神経痛を改善する漢方についてお話してきました。

顔面痛や三叉神経痛に使われる漢方薬は、他にもいろいろあります。

今回は<冷え>に注目して、清上けん痛湯と桂枝加朮附湯をご紹介しました。

痛みが続くと、笑顔も減ってしまいがち。

例えば、
冷たい食べ物や飲み物をとり過ぎない、
着るものやエアコンの使い方、
ストレスをためすぎないようにする、

毎日の生活でできることも気をつけながら、漢方の助けもかりて元気な笑顔で過ごしていけるといいですね!