私は、漢方薬がメインの調剤薬局で働いています。
なので、患者さんは、漢方薬での治療を希望していらっしゃる方がほとんどです。
検査では異常なし。
西洋医学では治療方法がなくて漢方を希望される方。
ご自身やご家族が、西洋薬で副作用がでた経験があって、
副作用をさけるために漢方薬を希望される方。
きっかけはいろいろです。
最近は、テレビの健康番組や雑誌でも、漢方の話題がとりあげられることも多いですよね。
漢方薬のイメージって、どんな感じでしょうか?
薬草をつかったナチュラルなもの。
副作用がほとんどない。
からだへの負担がすくなくて、やさしく効く。
<漢方薬はからだにやさしくて副作用がない>
そうおもっている方も多いかもしれないですね。
確かに、いわゆる<西洋薬>とくらべると、漢方薬は副作用は少ないです。
からだにやさしいのも本当です。
漢方薬は、いくつもの生薬を組み合わせることで、
効きめをよくするのと同じく、
副作用を最小限におさえるように工夫されています。
でも、漢方薬もお薬です。
副作用が全くないわけではなんですね。
例えば、体質にあわない漢方薬をのんだら、かえって調子が悪くなることもあります。
(だから、専門家に体質にあった漢方薬を選んでもらうことが大切です)
漢方薬によっては、胃もたれしやすいものもあります。
漢方薬に限らず、どんな食べものでもアレルギーは起こりえます。
特に、小麦やごまなどに食物アレルギーがある方は、
漢方薬の材料になっていることもあるので、気をつけないといけないです。
<漢方薬だから、絶対に安心>というわけではないんですね。
特に、漢方薬を飲み始めてからの一か月間は、
いつもと違う症状がでないか、自分のからだの変化に気をつける必要があります。
おかしいなとおもったときに、お医者さんや薬剤師さんに相談して中止したら、
すぐに回復して健康への影響がないことがほとんどです。
(これは、漢方薬だけでなく、西洋薬も同じですね)
漢方薬の副作用と間違えやすいものに、瞑眩(めんげん)というものがあります。
これは、漢方薬独特の好転反応のようなものです。
漢方薬をのみはじめてから、一時的に体調が悪化することがありますが、
その後に回復してよくなっていきます。
瞑眩は、からだがなおる前に起きる一時的な症状ととらえられています。
でも、体調の変化が、副作用か瞑眩なのかを判断するのは、
とっても難しいです。
なので、万が一のときは、自己判断しないようにしてくださいね。
漢方薬をきちんと使って、私たちのつよい味方になってもらいましょう!