漢方薬はもしもの災害の時にも活躍します

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この記事を書いた人

清水みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師およびJAMHA認定ハーバルセラピストの資格を持つ専門家。
大学院卒業後、製薬企業の研究職を経て、現在は漢方調剤薬局に勤務。
漢方とハーブの知識を活かして自然の力で健康づくりをサポートする活動をしています。

先日に続き、学会でのご講演の話をシェアします。

東日本大震災で医療活動された先生のお話でした。

タイトルは、
<災害時の医療活動における東洋医学の役割>

先生方の医療チームは、
町の薬局の漢方薬を自費で購入して使ったそうです。

震災直後は、まだ3月で寒かったこと、
津波の被害で濡れて、冷えきった人が多かったので、

・低体温
・風邪
・胃腸炎

この3つを訴える方が多かったそうです。

からだの芯から冷えて動けない低体温の方には
西洋学的な治療ができません。

(西洋医学には<冷え>の概念がないからです)

なので、
毛布にくるまったり、カイロをつかったりという
からだの外からあたためる方法しかありませんでした。

そのときに、からだの内側からあたためる漢方薬が、
とても効果的だったそうです。

しばらくたつと、
がれきの片付けや泥の掃除が本格的にはじまりました。

作業中にほこりや砂がまって、
空気に色ががつくくらいだったそうです。

外の気温も上がってきて、花粉の時期にもなり、
アレルギー症状が増えてきたそうです。

鼻水や目のかゆみに対しては、
西洋薬の抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬が使われることが多いです。

ただ、お薬の副作用で眠気がでると、
生活に支障がでたり、作業がはかどらないこともあります。

漢方薬は、即効性があって、眠気やふらつきがなく
とても重宝したそうです。

さらに時間が経過すると、
メンタル的な不調や便秘で悩む方が増えてきたそうです。

そのときに、西洋薬のような依存性の心配もなく、
こころとからだのバランスをやさしくサポートする漢方薬が
とても喜ばれたそうです。

当たり前のことですが、
災害直後から、時間の経過によって
気持ちも、行動も、まわりの環境も変わりますし、
でてくる不調や問題になる症状も変わります。

もちろん、漢方薬は万能ではありませんが、
その変化に応じて柔軟に、こんな風に選びながら効果的に使えるんですね。

ご講演のタイトルを読んだときは、
<災害時の救急活動と漢方薬>ってなんだかピンときませんでした。

むかしむかしの中国の医学書<傷寒論(しょうかんろん)>の
『戦争が絶えず、疫病がはやる』という内容が、
災害時の状態とほぼ同じと考えて、漢方薬は必ず役立つと判断されたそうです。

私も、漢方薬だからできることがたくさんあると
今さらながら再認識しました。

漢方薬のいいところ、幅広く使えるということをまずは知ることが大切。

笑顔で健やかに過ごすための選択肢として、
<漢方>を身近に感じてもらえるように、私も発信を続けていきますね!