こんにちは。
ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水みゆきです。
感染性胃腸炎になった長男くんの突然の嘔吐と下痢は、五苓散を飲んで落ち着きましたが、
数日たっても、なかなか下痢がスッキリ治りませんでした。
そこで、漢方薬を五苓散から半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)に変えました。
今回は、感染性胃腸炎の後に子どもの下痢が続いた時に役立った漢方薬の半夏瀉心湯についてお話したいと思います。

目次
感染性胃腸炎の後で子どもの下痢が長引く時に役立つ漢方の半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう、14番)
半夏瀉心湯は激しいピークが過ぎた後の下痢によい漢方
感染性胃腸炎になった長男くんは、
下痢だけがなかなかスッキリ治りませんでした。
それで、五苓散から半夏瀉心湯に漢方薬を変えてみることにしました。
半夏瀉心湯は、7種類の生薬からつくられた漢方薬です。
(半夏;はんげ、黄芩;おうごん、乾姜;かんきょう、甘草;かんぞう、大棗;たいそう、人参;にんじん、黄連;おうれん)
名前にも入っている半夏(はんげ)という生薬は、吐き気や胃もたれを取り除くはたらきがあります。
黄芩と黄連で熱を冷ます(胃腸の熱、炎症をとる)、
甘草、大棗、人参で胃腸の機能を高める(補気)、
乾姜で胃腸を温める、
といったはたらきで、嘔吐や下痢、胸やけといった胃腸の不調を改善します。
ちなみに、<瀉心>というのは、みぞおちあたりのつかえをとるという意味があります。
炎症や吐き気をおさえて、
胃腸のはたらきをよくすることで、
胃の症状だけでなく、下痢にも効果的な漢方が半夏瀉心湯です。
食欲がないときやおなかがグルグルするときにも使われます。
精神と関わりの深い五臓の心の熱を冷ますので、ストレスを伴う胃腸の不調にもよいとされています。
半夏瀉心湯は、何度もトイレで下痢するような激しい下痢の真っ最中にはあまり効果がないです。
今回の長男くんのように、下痢のピークは過ぎたけれど、ゆるい下痢様の便が続く時にとくに効果的です。
ちょうど治るタイミングだったのかもしれませんが…
半夏瀉心湯を飲み始めてすっきり下痢が止まりました。
念のため、後日、小児科を受診しましたが、ノロウィルスは陰性。
軽い感染性胃腸炎だろうとのことでした。
ほっとひと安心です。

半夏瀉心湯は市販されている?子どもへの飲ませ方は?
半夏瀉心湯は市販されています。
ドラックストアや薬局、ネットでも買える漢方薬です。
■ツムラの市販の半夏瀉心湯
医療用の半夏瀉心湯の1/2量です。
■クラシエの市販の半夏瀉心湯
医療用の4/5量です。
錠剤タイプなので、飲みやすいです。

ただし、半夏瀉心湯は、とっても苦い味がします。
その苦味が効く成分のひとつなのですが…漢方薬のイメージそのままの苦さです。
長男くんも「うげー!」と目をまるくして飲んでいました(笑)。
五苓散はまだ飲みやすい味なんですけどね。
飲ませるのが難しい場合は、こちらの方法も試してみてくださいね。
漢方は苦くて嫌だと飲まない子どもに試してほしい漢方薬の飲ませ方
子どもの嘔吐下痢の原因になる感染性胃腸炎には、吐き気止めや下痢止めの西洋薬よりも漢方がオススメ!
西洋薬では、嘔吐や吐き気には、ナウゼリン坐薬(ざやく:おしりからいれる薬)がよく使われます。
胃腸のはたらきの異常によって起こった吐き気をシャットダウンする感じで抑えます。
今回も病院で処方されそうでしたが…
すでに体調も落ち着いているので、ナウゼリン坐薬は「必要ないです」とお断りしました。
嘔吐や下痢といった胃腸炎は、西洋薬には特効薬はありません。
小さなお子さんや年配の方は、脱水を防ぐために、吐き気止めや下痢止めを使うこともあります。
でも、基本的には、無理に下痢や嘔吐をとめることはしません。
悪いものは外にだしてしまって、じっと症状が落ち着くのを待つしかないといった感じです。
もちろん、吐いて下痢をしている子どもが一番つらいですが、見守ってお世話するママも大変ですよね。
嘔吐や下痢を無理やりとめるのではなく、
からだがもとの健康な状態に戻ろうとするのをサポートしてくれる、
しかも、即効性もあって、子どもも安心して飲める
漢方薬ってすっごくいいと思いませんか?
特効薬がないつらい感染性胃腸炎。
早く元気になるために効果的な漢方薬を知って備えていると、ママも安心だと思いますよ^^
さいごに:胃腸炎の下痢が長引く時におすすめの漢方、半夏瀉心湯
この記事では、感染性胃腸炎になったこどもの下痢が長引いた時に役立った半夏瀉心湯について、解説しました。
漢方独特の苦い味がする半夏瀉心湯ですが、長引く下痢に効果的です。
市販もされているので、困った時にお役立てください!