こんにちは。
ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水 みゆきです。
この記事では、子どもの乗り物酔い止め薬に、眠気などの副作用が少なく、安心してオススメできる漢方をご紹介します。
帰省や旅行で遠出する時の移動、
体調によっては酔ってしまうこともありますよね。
体質的に、車酔いしやすい方もいると思います。
私も子ども達もそうなんです^^;
遠足のバスや帰省中の電車で、酔って吐いてしまったことも・・・。
なので、乗り物酔い対策が必須!
西洋薬の酔い止めもありますが、眠気などの副作用が心配です。
我が家では、眠たくならない、子どもにも安心して使える漢方薬を酔い止めとして活用しています。
早速、詳しくお話していきますね。
・乗り物酔いしやすい方
・眠たくならない酔い止め薬が必要な方
・子どもに安心して飲める酔い止め薬を知りたい方
目次
西洋薬の酔い止め成分は抗ヒスタミン薬、眠気や痙攣誘発などの副作用に注意!
西洋薬の酔い止め成分は、風邪や花粉症にも使われる抗ヒスタミン薬なので、眠気に注意!
小さな頃から車酔いしやすく、
トラベルミンとか車酔いの薬にお世話になっていました。
でも、酔い止め薬を飲むと、ものすごく眠たくなるんですよね。
それもそのはず、
乗り物酔いの市販薬は、抗ヒスタミン薬だからです。
メクリジンやクロルフェニラミンという抗ヒスタミン薬が使われています。
なんと、鼻水やかゆみ止めと同じ成分!
不安症状を和らげる、
鎮静するという目的で、酔い止めとして使われています。
その副作用で、眠たくなってしまうんですね。
最近は、眠気が少ない抗ヒスタミン薬もあります。
でも、酔い止めに使われる成分は、
脳へ移行しやすくて、眠たくなりやすいのが特徴です。
さらに、眠気以外にも気をつけた方がいいことがあります。
それが、痙攣、けいれんです。
熱性けいれんの経験がある場合は、酔い止め薬の抗ヒスタミン薬成分に注意して!
抗ヒスタミン薬を飲んでいると、
熱性けいれんを起こした場合、
けいれんの持続時間が長くなるという報告があります。
これは、
熱性けいれんを起こしたことがある子どもが、
抗ヒスタミン薬を飲むと、けいれんする
というわけではなく、
熱性けいれんを起こしたことがある子どもは、
眠くなりやすいある種の抗ヒスタミン薬を飲むことで、
けいれんが誘発されやすくなる
ということです。
リスクが高くなってしまうんですね。
花粉症やアレルギーの薬としては、
眠くなりにくい成分が使われることがほとんどです。
なので、大きな問題にはなりません。
ただ、風邪薬や乗り物酔いの薬には、
眠くなりやすい注意すべき成分も使われています。
クロルフェニラミン(ポララミン)、ジフェンヒドラミン(レスタミン)、シプロヘプタジン(ペリアクチン)など第一世代の抗ヒスタミン薬と呼ばれるもの。
詳しくは、Web医事新報「乳幼児への抗ヒスタミン薬使用と熱性痙攣」を参考にしてください。
熱性けいれんを起こしたことがある場合は、成分名をしっかり確認しましょう。
わからない場合は、薬剤師さんに相談してくださいね。
私の子どもたちは二人とも、
熱性けいれんを何度か起こしています。
医療従事者ですが、
わが子が痙攣している姿は、
怖くて不安で・・・生きた心地がしませんでした。
小学生になってからは起きていませんが、
リスクのあるものは飲みたくありません。
だから、西洋薬の酔い止めは使いません。
かわりに、漢方薬を愛用しています!
漢方専門の薬剤師としても、ユーザーとしてもオススメなのでご紹介しますね。
子どもにも安心!眠たくならない乗り物酔い止め薬、漢方の五苓散(ごれいさん、17番)
私が、車酔い薬にオススメする漢方は、五苓散(ごれいさん)です。
乗り物酔いの原因となる体の水の巡りを整えて、正常に戻します。
「漢方で酔い止め?」
驚く方もいるかもしれませんね。
実際、サッカーの遠征の時に、
酔い止めの漢方薬を飲んでいた長男くんは
お友達からビックリされたそうです。
長男くんにとっては当たり前のことですが^^;
でも、おかげで気持ち悪くならずにすみました。
しかも、五苓散のスゴイところは、
予防のための酔い止めだけでなく、気持ち悪くなった後にも使えるところ。
しかも、
眠たくならないし、赤ちゃんでも飲める安全性の高さ!
こちらがクラシエの五苓散(錠剤タイプ)
こちらは、ツムラの市販薬の五苓散。
医療用の五苓散よりも成分量は少ないです。
ネット通販では売っていますが、
薬局やドラックストアでは五苓散で探すよりも、
アルピタンやテイラックで探した方が見つかりやすいかもしれません。
こちらは<テイラック>。
五苓散という名前ではありませんが、中身は五苓散です。
医療用の五苓散と同じ成分量が入っています。
こちらは錠剤の漢方薬です。
粉薬が苦手という方におすすめです。
低気圧頭痛(テイ)が楽(ラク)になる=テイラックなのかな??
漢方らしくない名前ですが・・・
五苓散は、<アルピタン>という名前でも売られています。
医療用の五苓散と同じ成分量が入っています。
こちらは粉薬(包)です。
お酒の飲みすぎ、二日酔いの頭痛や吐き気をおさえる薬として、小林製薬から販売。
カタカナの名前ですが、漢方薬の五苓散と中身は同じです。
<アル>コールが原因の痛みや吐き気を<ピタン>と止めるという意味かな^^;
ドラックストアの頭痛薬コーナーに販売されていることが多いです。
私が市販薬の五苓散を買うならば、
医療用の五苓散と同じ成分量が入っている、テイラックかアルピタンを選びます。
五苓散の飲み方としては、
漢方薬に慣れていない場合は、出かける2、3日前から、1日1回飲むとよいです。
漢方に慣れる効果と、
あらかじめ、余分な水分の滞りをなくす効果が期待できます。
さいごに
というわけで、
子どもの乗り物酔い止め薬にオススメの漢方、五苓散についてお話してきました。
五苓散は、眠気などの副作用がなく、小さな子供でも安心して飲むことができます。
ドラックストアなどで市販されている身近な漢方のひとつです。
五苓散で、車酔いの不安をなくして、旅行に、観光に、遊びに、楽しんでくださいね♪