こんにちは。
ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水みゆきです。
今回は、漢方薬の飲み方について、食前や食間の空腹時ではなく、あえて食後に漢方薬を飲む方がいい場合もあるケースについて、漢方専門の薬剤師がお話します。
漢方薬は、食前や食間の空腹時に飲むのが一般的です。
でも、飲み忘れに気づいたら、食後に飲んでも問題ありません。
葛根湯を食後に飲んでしまった!漢方薬を食後に飲んでも大丈夫?
実は、漢方薬を食前に飲み忘れる以外にも、
漢方薬の種類や飲む人の体質によっては、
副作用を防ぐために、あえて食後に漢方薬を飲んだ方がよいケースもあるんです。
ご存知でしたか?
それでは、詳しくお話していきますね!
・漢方薬を食後に飲んでもいいのかわからない方
・漢方薬を飲むと胃もたれしたり、胃の調子が悪くなる方
漢方の副作用を防ぐために、あえて食後に漢方薬を飲む
アンチエイジングや不妊治療、足腰の冷えや痛みにつかわれる八味地黄丸(はちみじおうがん)という漢方薬があります。
名前の通り、材料に地黄(じおう)という生薬がつかわれてます。
この地黄という生薬、
もともと胃が弱い人が飲むと、胃もたれして食欲がなくなる、吐き気がするという副作用が出ることがあります。
有名な漢方薬の葛根湯や小青竜湯(しょうせいりゅうとう)。
この二つの漢方薬に共通して入っている生薬のひとつに、麻黄(まおう)があります。
体質によっては、この麻黄でも、胃の調子が悪くなる方がいらっしゃいます。
私も、花粉症の時期に、続けて小青竜湯を飲んでいると、少し気持ち悪くなってしまうことがありました^^;
というのは、麻黄にはエフェドリンという成分が含まれているからです。
エフェドリンは交感神経を刺激したり、興奮させるはたらきがあります。
なので、寝る前にのむと、興奮して眠れなくなる方もいます。
ちなみに、私は、小青竜湯を飲んで眠れなくなったことは今までないです。
もともと胃が弱い体質の方や、体調が悪くて胃のはたらきが弱っている時に、
地黄や麻黄が入っている漢方薬を飲む場合は、注意が必要です。
空腹のときに飲むと、胃の負担になってしまうことがあります。
じゃあ、どうしたらいいでしょうか?
答えはカンタン!
漢方薬を食後に飲めばいいんです。
食べものが胃の中にあることで、漢方の成分が胃を刺激するリスクが少なくなります。
胃の中の食べ物が胃を保護してくれる感じです。
体質的に胃が弱いという方には、はじめから漢方薬を食後に飲むように、おすすめしています。
「漢方薬を飲んでから、なんだか胃の調子が悪くて・・・」
という方には、わかった時点で、まずは食後に飲むようにすることをおすすめしています。
でも、インフルエンザなどで緊急事態の時は話は別です。
そういう時に、麻黄湯や葛根湯を飲むときは、食事に関係なく、とにかくすぐに飲んでください。
ちょっとくらい胃もたれしても、早く漢方をからだの中に入れて効かせることが大切だからです。
詳しくはこちらを参考にしてくださいね。
麻黄湯と葛根湯の使い分け、インフルエンザの発熱時の漢方薬の選び方
漢方薬を食後に飲むと吸収が悪くなる?効果がなくなる?
以前、勤務先の薬局で
「食後にのむと胃の調子はよくなったけど、漢方薬の吸収が悪くなるのがもったいないよね」
と、おっしゃる患者さんがいらっしゃいました。
食前や食間の方が、漢方薬の成分の吸収をよくして、はやく効くということをご存知だったんですよね。
食後に漢方薬を飲んでも、
その効果に影響するほど、極端に吸収がおちることはないと考えられています。
なので、安心して食後に漢方薬を飲んでもらっても大丈夫です。
ほんのわずかの吸収の違いを気にするよりも、
食後に飲むことで、胃もたれの漢方の副作用を防いた方が、ずっとからだにやさしい飲み方だと思います。
まとめ
というわけで、
漢方薬は、食前や食間の空腹時ではなく、
副作用を避けるために、あえて食後に飲む方がいい場合もあることをお話してきました。
漢方を飲むと胃もたれする、胃の調子が悪いという方は、
食後に飲むことを試してみてくださいね。
漢方やハーブに興味がある方は、こちらの無料メールマガジンもオススメです!