こんにちは!ママのためのやさしい漢方 薬剤師の清水みゆきです。
病院が終わった後の子どもの急な発熱に、
夜間救急に行かなきゃ!と慌てることありませんか?
病院があいている時間ならすぐに受診できますが、子どもの発熱は夕方から夜が多いもの。
私も経験がありますが、子どもを夜間救急に連れていくのは大変です。
そういう時に、焦らずに、まずはおうちで様子をみる、
つらそうな子どもを見守るだけでなく、楽になるように、早く治るようにやさしくケアできたらいいとおもいませんか?
我が家では、子どもも大人も急な発熱には、漢方薬の出番です。
翌日にはすっかり熱が下がって元気!ということもあります。
今回は、子どもの急な発熱に備えておくと安心な漢方薬、葛根湯と麻黄湯についてお話します。
目次
インフルエンザかも?子どもの突然の発熱、我が家のファーストチョイスは葛根湯
<風邪をひいたら葛根湯>で超有名な漢方薬。
でも、どんな風邪にも効くわけではありません。
風邪だけじゃなくって、インフルエンザにも使われます。
インフルエンザや風邪の発熱時に効果的な葛根湯(1番)の飲み方
インフルエンザや風邪の初期のひきはじめの症状、
頭痛、
首や肩がこる、痛い、
寒気や悪寒、
発熱、
熱はないけれど、頭がぼーっとする、今から熱があがりそう、
こういう時に使います。
本当の初期症状、なりかけ、なりそうな時です。
薬はできるだけ飲みたくない人も、
葛根湯は、我慢せずに早めのタイミングで飲んだ方が効果的です。
「え?でも、漢方薬を飲むのは食前でしよ?」
こういう緊急事態の時は、食事のタイミングに関係なくすぐに飲んだ方がいいです。
食後に熱っぽい症状に気づいたなら、食後に飲んでも大丈夫です。
理由はこちらに詳しく書いています。
漢方薬を食後に飲んでも大丈夫?食前・食後・食間いつ飲むとよい?
葛根湯を使うポイントは、
熱は出てるけど、汗は出ていないってこと。
汗を出すことで、
からだの表面の病邪(ウィルス)を追い出します。
汗が出ると、熱も下がります。
汗がすっきりした時点で、葛根湯を飲むのは終了です。
なので、実際に飲むのはほんの数日だけ。
うちの子どもたちは、葛根湯を1、2回飲むだけ治ることもあります。
夕方に38℃の熱が急に出た、
頭が痛いと子どもが訴えてきたとき、
まず、葛根湯を一包飲みます。
一包2.5gの葛根湯なら、
小学生の長男はまるまる一包(2.5g)、
幼稚園の娘は半包(だいたい1.25g)です。
次の日も熱があれば、もう一包飲みますが、飲まずにすむことも多いです。
漢方薬の子どもへの飲ませ方はこちらを参考にしてくださいね。
漢方は苦くて嫌だ!と飲まない子どもに試してほしい漢方薬の飲ませ方
去年、小学校でインフルエンザが流行したときの話です。
学級閉鎖にもなりました。
同じ時期に長男も発熱。
熱があって、食欲はないけれど、
テレビを見る元気はあって、水分もとれる状態。
すぐに葛根湯を飲んで、眠りました。
もしインフルエンザだったら検査で陽性になるように、発熱後12時間以上たって受診したところ、結果は陰性。
お医者さんに葛根湯を飲んでいることを伝えると、
追加で葛根湯を処方してくれました。
そのまま、葛根湯を2日間ほど飲んで、すっきり治りました。
熱が出てすぐの早めのタイミングで葛根湯を飲んで、無理せずにゆっくり休んだのがよかったのかなとおもっています。
インフルエンザか風邪かわからないときの発熱や頭痛にも、葛根湯は効果的です。
葛根湯の選び方:病院でもらう葛根湯と市販の葛根湯の違い
葛根湯は、ドラックストアでも売っています。
ツムラやクラシエはメーカー名。
病院でもらう医療用漢方薬もつくっています。
同じメーカーでつくられた葛根湯がドラックストアでも売っています。
病院でもらう葛根湯も市販の葛根湯も同じ生薬を使っています。
ですが、入っている量が違うこともあります。
ツムラの市販の葛根湯は、医療用ツムラの葛根湯の2/3量です。
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クラシエの葛根湯には、医療用と全く同じ量の市販品もあります。
(満量処方といいます。)
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ドラックストアや薬局で売っている市販のツムラの葛根湯は、
副作用がでないように量を少なめにしている、
同じ市販の葛根湯でも、
クラシエの葛根湯は、切れ味よく医療用と同じ量、
こう言いかえることもできます。
ツムラとクラシエで比べると、クラシエの方が葛根や麻黄などの量が多いです。
葛根湯の選び方、症状や体質次第ですね。
私はツムラとクラシエの葛根湯、両方を使ったことがあります。
インフルエンザや風邪の発熱時には、切れ味のよいクラシエの葛根湯、
頭が痛い、首や肩がこる時には、ツムラの葛根湯、
こんな感じで選んでいます。
インフルエンザの発熱、喉の痛みにも役立つ漢方、けいまかくはんとう
桂麻各半湯を常備していないときは葛根湯を使います。
あと、長男が元気だけど、頭が痛い!痛い!と訴えることがたまにあります。
その時も、2/3量の成分量で十分だとおもうので、ツムラの葛根湯を選びます。
葛根湯の選び方の参考になれば幸いです。
漢方薬の成分表についてはこちらのブログ記事に詳しく書いています。
病院で処方される医療用漢方薬と薬局で買う一般用漢方薬の中身の違い
インフルエンザの初期の発熱や関節痛に使われる麻黄湯
うちでは、葛根湯を使うことが多いですが、
インフルエンザの初期の発熱や関節痛には、麻黄湯(まおうとう)もよく使われます。
イナビルやタミフルといったインフルエンザの薬と一緒に処方されることもあります。
インフルエンザって、発熱、激しい関節痛や筋肉痛、頭痛、からだのだるさなど、いろんな症状が、あっという間に急激に進行していきます。
こういったいろんな症状が出揃う前に、急いで飲んだ方が効果的です。
麻黄湯は、大きく分けると、葛根湯と同じグループの漢方薬です。
麻黄と桂枝が入っていて、汗をかかせる(発汗作用)はたらきがあります。
しかも、葛根湯よりもパワフルです。
なので、何日間も続けて飲むことはありません。
すでに汗をかいている、
ぐったりしていて元気がない、
下痢や吐き気がある、
こういう場合には麻黄湯は飲んだらダメです。
発汗しすぎて、脱水状態になって危険です!
葛根湯と麻黄湯の違いについては、こちらのブログ記事も参考にしてくださいね。
麻黄湯と葛根湯の使い分け、インフルエンザの発熱時の漢方薬の選び方
さいごに:漢方薬があればインフルエンザ流行期の子どもの急な発熱にも慌てない!
というわけで、
子どもの急な発熱に備えておくと安心な漢方薬、葛根湯と麻黄湯についてお話してきました。
インフルエンザや風邪が流行する冬、
夜に子どもが急に熱を出すと、お母さんは心配ですよね。
もちろん、まだ小さなお子さんやけいれんが起きたり、
いつもと違う時は、夜間救急に行かないといけない緊急事態もあります。
熱以外に心配な症状がないときには、漢方薬を飲んでゆっくり休むという選択肢もあります。
我が家は、葛根湯を常備しています。
<もしも>の時にとっても安心です。
あと、こどもって大きくなっても、高熱が出たときは心細くなるようです。
「背中さすって」
「手をにぎっていて」
「そばにいて」
小学校高学年の長男くんも、熱がでるとかわいらしい幼児の頃に戻ります。
もしかしたら、ママのおてあてが一番安心できるお薬かもしれませんね!