【ご質問】コロナワクチン接種に備えるとよい漢方薬はありますか?

【ご質問】
ワクチン接種の副反応に対して、備えておくことのできる漢方があったら教えてください

 

 

コロナワクチンについては
いろいろな考え方があり、まだ正解がないというか
私自身の考え方もまだまとまっていません。
わかる範囲でお答えしていきますね。

 

ワクチンの副反応はとても個人差があるようです。

よく聞くのは、

・腕の痛み(腕を上げるのがつらい)

・発熱や頭痛

・倦怠感(何もしたくない、だるい)

この3つですね。

あと、下痢や便秘など消化器系にくるという話も聞きました。

 

漢方医の先生は接種後の筋肉痛に対して
治打撲一方(ヂダボクイッポウ)を準備してました。

聞きなれない漢方薬だと思うので詳しく解説しますね!

治打撲一方ってインパクトのある名前だと思いませんか?

その名の通り、「打撲を治す」漢方としてよく使われています。

「足をぶつけていたい」
「捻挫して腫れてしまった」

そんな時に処方されます。
(痛み止めとの併用もOK)

打撲後の痛みや腫れ
そして、少し時間がたってから皮膚が紫色のあざのようになった状態を改善します。

7つの生薬で構成されています。

センキュウ
大黄
丁子
センコツ
ボクソク
桂皮
甘草

漢方的には、打撲などで青あざができた状態=お血と考えます。

お血は血液の循環が悪くなった状態でしたね。

つまり内出血も同じです。

治打撲一方に含まれる生薬のうち、
上から5つの生薬はお血を改善するはたらきがあります。

大黄といえば、下剤(瀉下作用)というイメージがあるかもしれませんが、
お血の排除を助ける、熱を排除するという役割もあります。
下痢しやすい方は注意が必要ですね。

桂皮は血流をよくして痛みをとり、
甘草は抗炎症作用があるので、
相乗効果で腫れや痛みを改善します。

打撲以外の筋肉や関節などの運動障害にも使われるので、
それをワクチン接種後の腕の痛みの緩和に応用した感じですね。

(結局、痛みがほぼなかったので使わなかったそう)

 

次に、接種後の発熱や頭痛、倦怠感は
葛根湯や麻黄湯といった麻黄剤がよいと思います。

体力的に厳しい方は麻黄附子細辛湯でもよいと思います。

もちろん、西洋薬(カロナール、市販薬だとタイレノールなど)でも問題ありません。

 

その後に倦怠感とともに下痢や便秘が続く時は、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)がよいと思います。

あと、飲みにくい味ですが、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)も下痢にはよいと思います。

倦怠感だけが続く時は、柴胡が入った補中益気湯がよいと思います。

 

あと、ワクチン接種に備えて体調を整えておくことも大切ですね。

十分な睡眠、無理をしない、
そして補中益気湯などの補剤も活用するとよいと思います。

 

私の周りでは、軽い発熱や倦怠感以外の副反応が出たという話はまだ聞きません。

ただ、接種に対する不安でパニック障害(過呼吸)が起きてしまった患者さんがいらっしゃいました。

初めて未知のワクチンということで不安や緊張が強まったのかもしれません。

(個人的には、不安な場合は焦らずに不安を解消してから接種した方がよいと思います。)

 

最後に、コロナやコロナワクチンと漢方薬に関するブログをいくつかご紹介します。

不安解消や考え方のお役にたてばうれしいです。

・医療法人杉原クリニック:よくある質問

https://sugiharaclinic.com/

ページのリンクが貼れないので、こちらのトップページから「よくある質問」をクリックしてご覧ください。

・オリーブ薬局:新型コロナと漢方薬

https://www.olive-pharmacy.co.jp/corona-jyuumihaidokutou/