かゆみやブツブツの発疹、じんましん
皮膚科にいくと処方されるのが、ステロイドの塗り薬です。
<ステロイド>だけは使いたくない
そういう方もいらしゃいますが、
個人的にはそんなにコワイものではないと思っています。
だけど、確かに正しく使うことができなかったら、
ステロイドの効果も半減してしまいます。
ステロイドについて:効き方と副作用
ステロイドは、赤みやかゆみ、じゅくじゅくといった炎症をおさえるお薬です。
現在、お肌でおきている
<ひどい火事のような炎症>を消すようなイメージです。
かゆみなどの原因からなおすわけではありませんが、
皮膚をよい状態にして、掻きむしったり、とびひになるのを防ぎます。
できれば、ステロイドで炎症を抑えている短い間に、
原因を解決して、自分のからだのちからでなおってしまうのが理想的とおもいます。
ステロイドは、とっても切れ味のよい薬。
だけど、
皮膚がうすくなる、
(血管が拡張して)お肌があかくなる、
にきびができやすくなる、
といった副作用もおこる可能性もあります。
必要以上に怖がることはないとおもいますが、
気をつけて使わないといけない薬でもあります。
ステロイドを使うか、使わないかは
それぞれに、考え方や判断があるとおもいます。
こちらでは、ステロイドの是非ではなく、
<使い方>について、書いていきますね。
ステロイド軟膏の使い方の3つのポイント
ステロイドの塗り薬を使う場合は、この3つがポイントになります。
◆使うステロイドの種類(ランク)
からだへの吸収のされやすさによって、
ステロイドにも強い・弱いのランクがあります。
<最強・より強い・強い・穏やか・弱い>
5段階のランクにわけることが多いです。
デルモベートやダイアコートは、<最も強い>ランク。
よく使われるリンデロンVGは、<強い>ランク。
あかちゃんによく使われるロコイドやキンダベート、アルメタは<穏やか>ランク。
以前、皮膚科の患者さんが多い薬局で働いていた頃は、
リドメックスは<強い>ランクでしたが、今は、<穏やか>ランクになっていました。
リドメックスは、<穏やか>と<強い>の間くらいということでしょうか。
他にも気になる方は、<ステロイド ランク 一覧>などで検索してみてくださいね。
◆塗る場所
ステロイドの吸収のされやすさは、塗るからだの場所によって違います。
くびより上(くび、顔、頭)と性器は、
血流がよくて、ステロイドが吸収されやすい場所です。
だから、基本的には<穏やか>ランクを使用。
からだ(首より下)は<強い>ランクを使用。
小さなお子さんは、もともと皮膚がうすくて、
お肌の表面の機能もまだ未熟なので、大人よりもステロイドが吸収されやすいです。
なので、大人よりもステロイドの強さのランクを1つ下げて慎重に使うことが多いです。
炎症を抑える作用が強ければいいというものでもありませんが、
副作用を心配して、弱いステロイドをだらだら使っても、あまり効果はありません。
だらだら使った分だけ、トータルのステロイドの量は多くなってしまうこともあります。
塗るからだの場所や症状にあった強さのものを選ぶことが大切ですね。
◆塗り方
塗り方のポイントは、
<すりこまずにやさしくのせるようにぬる>
すりこむと、肌に刺激になりますし、
赤くなっている、ちょっと盛り上がっているところに
お薬がきちんと塗れないことが多いです。
あと、塗る期間も大事です。
赤みが減ってきて、よくなったと思っても、
かゆみがまだあったり、皮膚がかたい感じ(肌をつまむと固さがある)がある場合は、皮膚の中にまだ炎症がのこっている状態です。
なので、「もう治った!」と自分の判断でやめないようにしましょう。
反対に、1週間たっても効果がない場合は、もう一度病院に行くことをおすすめします。
ステロイドを必要以上に怖がらずに、
使うときはきちんと正しく使っていくことが大切です。
<かゆみ>を我慢するのはとっても大変。
小さなお子さんならなおさらです。
ステロイドを上手に使って
<今>の炎症を抑えて対処療法をしながら、
漢方薬でからだの中をととのえるやり方もあります。
ステロイドを使う必要があるほどひどくなる前に、
アロマやハーブウォーターでケアするやり方もあるとおもいます。
(我が家はこちらの方法)
選択肢は多ければ多い方がいいもの。
がんばり屋さんのお母さんほど、
いつの間にか、<ステロイドを使わないこと>が目的にならないように
気をつけていきたいですね。