漢方の本質┃痛みを抑えるのではなく、からだ全体をみることでよくなる




先日、日本東洋医学会の例会に参加してきました。

実際に診療されているドクターのお話を聞く
なかなかない貴重な機会です。

その中で、「漢方の本質」を感じたお話がありました。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)の後遺症による痛みの症例です。

先生は<じくじくとした痛み>と表現されていましたが、
帯状疱疹のぴりぴりとした痛みが
神経痛のような感じで残ることがあります。

この痛みの西洋学的な治療には、
ロキソニンやアセトアミノフェンといった
一般的な痛みどめのお薬、

それとは効き方が違う
トラマドールやリリカといった比較的あたらしい薬が使われます。

でも、痛みを抑える西洋薬があまり効かないときもあります。

痛みだけではなく、からだ全体をみる

帯状疱疹の痛みの改善について、
漢方薬でもいくつか選択肢はあります。

今回のケースでは、
患者さんの体力がかなり落ちて食欲もなく、
普段通りの生活ができないほど弱っている状態でした。

痛みどめのお薬で、弱っている胃にさらにダメージを与えてしまう恐れもあるので、
漢方薬を使おうということにもなったようです。

なので、
<痛みを抑える>ことではなく、

<生活の質を改善する>こと、
つまり、いつも通りの生活を送れるようにすることに
フォーカスすることにしたそうです。

漢方的な考え方では、
気=生命エネルギーです。

病気でからだが弱って大切な気が足りない状態で、
ただでさえ少ない気が、きちんとからだをめぐっていない状態と判断。

気をつくりだすのは、脾(胃腸)です。

なので、脾(胃腸)のはたらきをよくして、
気のめぐりをよくする漢方薬を処方したそうです。

この漢方薬には、<痛みを抑える>効果はありません。

でも、しばらくすると、
まず、青白かった顔色がよくなって、食欲がでてきたそうです。

痛みはかわらなかったものの、体調がよくなっていることを実感。

そのまま続けると、だんだんと痛みも改善してきたそうです。

すっかり元通りに元気になって、漢方薬も終了となりました。

いつもどおりの生活ができるようにからだを整えることで、
直接、痛みを抑えるわけではないけど、結果的に痛みも改善したという報告でした。

痛みという症状だけにフォーカスするのではなく、
患者さんのからだと生活をまるごと全体をみる

漢方の本質をついたお話でした。

漢方って、本当に奥深いです。





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ABOUTこの記事をかいた人

清水 みゆき

ママのためのやさしい漢方薬剤師。
漢方調剤薬局につとめる現役ママ薬剤師&ハーバルセラピスト。

漢方やハーブのおかげで、家族みんな元気な笑顔で暮らしています。
一見、難しそうで敬遠されがちな漢方やハーブ。
家族の健康を守るママにこそ、その良さを知ってほしい!もっと生活に生かしてほしい!と専門性を生かして活動しています。

勤務先の薬局や地域の公民館で不定期でアロマ&ハーブ講座をリクエスト開催。
2016年度からは、完全オリジナルの漢方やハーブのオンラインレッスンをスタート。
毎回すぐにお申込みいただき、現在第8期まで開催。
「やさしい言葉でわかりやすくて、すぐに実践できる!」と好評いただいています。
ママが女性らしく生きるための漢方とハーブの講座も2016年に開催。
2019年にはオンライン講座としてスタート予定です。

■薬剤師、漢方薬・生薬認定薬剤師
■JAMHA認定ハーバルセラピスト


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